はじめに
さて、31節。
さっそくゲーゲンプレスで振り返ります。
では、レッツゴー。
↓この試合について。www.vegalta.co.jp
攻防の郷家と長澤和輝の6-8変換でとったバランス
劇的な勝利で終わった今節。
90分+アディショナルタイムまで拮抗状態を継続させ、最後の最後、CKからの決勝点でぎりぎり間に合った。
大宮3223の攻撃に対して、4411のミディアムブロックで中盤からの押し上げで対応。
特に、トップ下郷家のカバーが特筆すべき点だった。
大宮バック3へ、仙台ウィングは外切りで寄せていくが、ウィング背後を使うインサイドMFをエヴェ、長澤のMFがタッチライン方向へ寄せて制限をかけていく。
2人が空けたスペースを郷家が落ちてカバー。
特に、大宮の右サイドは、右インサイドMFアンジェロッティがウィング齋藤学の背後へ落ちて、エヴェを誘き出したスペースをMF高柳が再利用しようとしていた。
そこへのアラートの高さを見せたのが郷家で、仙台は中盤2-1の3人が中央エリアへの警戒を強めていた。
大宮も両インサイドMFの外流れからのロングセカンド狙いに重きを置きはじめたので、仙台のDFとしては相手を困らせていたのだと感じる。
そして、攻撃時には郷家は左ハーフスペースにポジションをとる。
CBカイケの視界に入りつつ、すぐにアプローチされないような位置を調整。
大宮は、前線にアンジェロッティとシュヴィルツォクという攻撃時に高い能力を発揮する選手がいる。
ただ、アンジェロッティは、DF時になると首を振る回数が減り、自分がカバーする後方のエリアへの情報更新が滞っていた。
加えて、対面で仙台のSB内田がボール保持するため、ボールから目を切ることができず、より状況のアップデートタイミングがつかめずにいたように見えた。
また、シュヴィルツォクは逆サイドへのひとつ飛ばしパスのパスコースを警戒するような最低限のポジションを維持。
スプリントもなく、大宮541ミディアムブロックは、ほぼ無抵抗のまま自陣で5-4で守ることを許容することとなった。
仙台としては、そんな大宮の前線のポジションや認知を利用して、中央をカバーして高負荷となっているMF高柳の背後に郷家を立たせた。
CBカイケにも影響を与え、制限がほぼかからない内田から、中山大観音の背後への抜けを数多く引き出した。
仙台としては、そこからロングセカンドでウィングからのクロスだったり、郷家のボックス内へのランニングで攻撃していく基調だった。
左サイド偏重ともとれるが、右サイド後方の保持が安定していたことで、左サイドの攻撃が可能になっていた。
仙台は、4231から433で攻撃ポジションをとるが、この試合は424(244)ともとれるような、右MF長澤がエヴェと同列を維持するようなポジションをとっていた。
これまでは、433かつボールより前方に選手がポジションをとっていたが、代わりにカウンター予防に脆弱さが出ていた。
この試合では、ホルダーの周辺に味方が多く、424のような中盤から後方に人数を割いていてより戦術的な選択肢をとった。
右サイドでエヴェと長澤とで保持することで時間を捻出して、味方がポジションをとる時間をつくった。
前述した大宮541DFのおかげでもあるが、シュヴィルツォクの周辺で保持できたことが大きい。
より高い位置でSB蜂須賀、右ウィング松崎へボールが移れば、ハーフスペースを駆け上がったりして、MFとライン間の高い位置をポジション調整していたのはさすがだった。
左ハーフスペースは、郷家が主にポジションをとり、右は空けて松崎のカットインだったり長澤が上がるスペースとして空けていたのが特徴だったか。
感想
それぞれの役割を整理して、その役割への理解が進んでいるなという印象を受けた。
特に、長澤、齋藤学と経験も実績もある選手の察しのよさ、解釈能力の高さに助けられている。
ほかの選手たちにとっても、お手本というか、真似できる対象になるのではないか。
一方で、明瞭な役割は味方だけでなく、相手にとっても助けになる。
仙台への分析が進み、対応するための策を用意してくることも可能になる。
ポジションをとって、ボールゲームを主体として進めていくのであれば、ボールコントロールだったりポジションへ入るタイミング、保持にかかわる技術を上げていくことで乗り越えていくことが必要だ。
これは、これまで感じていることと同様。
おそらくその路線でチームも進むのではないだろうか。
いずれにせよ、DF時のプレスバックや自陣ゴール前に人数をかけて足を出すなど、より原理的なプレーもよく表現していた。
そのあたりとボールコントロール技術など、サッカーのベースとなるような部分で積み上げて、強みを発揮していけば、今の順位が不当であることを証明できるはずだ。