サマリー
リザルト
短評
アルビオンが最高の開幕を迎えた。
マック、カイーセドと、まさに中盤の核を失い、コルウィルのようなバックスで保持できるタイプもいない。
一方、アタッカーはジョアン・ペドロという大きな剣を手に入れた。
早々に、ルートンは532でミディアムブロックを構築。
RDZのアルビオンは、昨季同様の4231→2323でボール前進を図る。
ただ、トップ下ペドロの外流れは、大きな変化といえる。
マックのように急加速でCB、MFと繋がりつつ、ハーフスペースを駆け上がってゴール前ではアタッカーに変身するタイプとは違い、よりオンボールでの攻撃能力がある。
ワイドの三笘薫、ハーフスペースのピニャンに加え、ペドロが純粋な数増しとして2つのレーンに立つことで、ルートンの分厚い5バックに対して継続的に圧力をかける。
ほとんどの保持と打開を左サイドから繰り出したアルビオン。
後半は少し整理して、ペドロを左ハーフスペース専として、相手MFからのマーキングを引き受け、ダンクに時間を与える。
加えてグロスとダフートが中盤を創ることで、ヘッケの保持を可能にする。
532のミディアムブロックに対して、ヘッケ、ダンク、グロス、ダフート、ペドロの2-3で保持、あえて管理されることで、ワイドに開いた両SBに時間とスペースを創る。
これがハーフタイムのRDZの修正だった。
左サイドの攻撃は、打撃力から鋭利な殺傷力へと変化。
オープンな状態でピニャンがホルダーになると、呼応してペドロがハーフスペースを攻撃。
三笘薫が1on1、あるいはカットインで斜行しながらゴール前へと向かうなど、より得点に直結するオフボールを見せる。
ペドロが獲得したPKは、まさにこれらの攻撃が実を結んだ結果だった。
532に対して、あえて235で管理されつつ、急加速で接続して景色を変えるやり方は、昨季から見せていたやり方で、その精度も上がっている印象。
とはいえ、三笘薫は縦方向の目的地とカットイン側をカバーされ、ピニャンの背後への抜けにはマンマーキングで対応されている。
マックとカイーセドで表現した急加速で繋がりレイオフで前を向くZ前進は、ほぼ見られず、後方の保持から前線のアタッカーの攻撃回数、攻撃人数で打開を図った。
研究されているRDZのサッカーへの心配もあるが、それを上回るようなパワーを手に入れ、精神と魂は買うことができないと示した開幕戦だったと感じる。
よりパワーのあるチームとの対戦で、どんな顔を見せるか。
今ならまだ、すべてを想像できる。