はじめに
さて、8節。
甲府に吹く強い風。
その風にのって、一気呵成に進んだベガルタ仙台。
ゲーゲンプレスで振り返ります。
では、レッツゴー。
メンバー
ベガルタ仙台【4231】
ヴァンフォーレ甲府【442】
スコア 3-0
風のベガルタ。打開、そして速攻。
前半、風上をとった仙台。
その風に乗って攻勢を仕掛けるのが、序盤からの展開だった。
仙台は、4231。
バックスをテヒョン、菅田、若狭、小出とCBタイプを並べる。
エヴェの相棒には大夢、トップ下にはFW山田と御堂筋ラインでおなじみの中島元彦が入る。
前節同様、最低限の可変量で攻撃ポジションを取る。
ただ、右SB小出はワイドに低い位置のままなので、4231≫343で攻撃ポジションをとった。
前の試合以上に、カウンター予防と、左WG秋山が落ちることでピッチを目いっぱい広く使って保持することが可能になった。
特に、若狭-大夢‐エヴェの3人はリターンパスでポゼッションしたり、大夢が甲府FW‐FW間にポジションをとってマーキングを引き取り、左右CBが前を向く時間とスペースを創る。
343の攻撃ポジションとこの3人の保持力で、後方でポゼッションすることができていたと見える。
一方で、左右に甲府DFを揺さぶるような、逆展開を使ってファイナルに押し込んでいくようなボール前進ではなく、中央~ワイドに集まって打開を図るようなボールの進め方をしたのが、この試合のポイントだった。
まるで、ワイドレーンを2分割にしたようにポジションをとり、常に甲府DF背後への抜けを狙うプレーを見せる。
また、ひとたびボールを奪うと、中島元彦のドリブルを中心に速く、早いプレーでファイナルまで攻撃していく。
まさにファストブレイク。
後方で保持して、ピッチを広く使って相手を左右に揺さぶり、ワイドに高い位置にいる味方に展開していくことでファイナルへ押し込むことを基調としていた仙台。
この日は、ボール周辺に味方を集め、攻撃速度も速くサイドを一点突破していく。
中島元彦のゴールとアシストからの山田寛人のゴールで前半で2得点。
後半開始早々に追加点をとってからは、これまで見せていた3133での保持、ファイナルへの押し込みを見せるほどの余裕もあった。
甲府の強さである、442ミディアムブロックからのカウンターを体現するかのような仙台の電光石火の攻撃。
得意のドリブル、速いスルーパス、ゴール前ではミドルを解禁された中島元彦。
風のようにプレーしていた彼がこの試合を象徴していた。
『疾如風』、だな。
感想
これまでの試合でも、「(静的な)後方の保持」と「(動的な)前線の抜け」は、プレーとして基本とされていて、ただそのタイミングが合わない、いつ動くのか動かないのかなど、目や呼吸を揃える必要があった。
この試合では、山田と中島元彦、郷家と小出、若狭-大夢‐エヴェなど、サッカーにおける関係性がよさそうなメンバーを起用していた。
その辺も絡みがあるかもしれない。
山田の2点目については、この2人で100万回はやってるだろうゴールだと思う。
実はこういうのがひとつのきっかけになるかなと感じる。
AKIRAさんも、この2試合は最低限度の制約と誓約をピッチに落とし込み、選手の関係性を意識した起用で、静的なポゼッションと動的なプレーを融合させようとした試合だったと思う。
いずれにしても、すべてが噛みあった試合だった。
前も書いたけれど、こういう上手くいく試合と全然上手くいかない試合を行き来しながら、内容のムラを少なくしていき、チームとしては盤石になっていくと思う。
「我、人を使うにあらず。その業を使うにあり」こう言ったのは、武田信玄だ。