蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

【ベガルタ仙台】オーバーライド【2024チーム編成分析】

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はじめに

今回は、2024シーズンのベガルタ仙台のチーム編成について分析していく。クラブは、森山佳郎(ゴリさん)を監督に迎え、チームを刷新した。GM庄子春男のコンセプトは、①平均年齢を若くする、②生え抜きを多くする、ことだ。今季の戦略は、プレーオフ圏内に位置しつつ、昇格を狙う。実績のある選手が抜け、一回りパワーダウンしているが個人の成長、能力開発でダウン幅を小さくする、むしろアップするのがゴリさんの狙い。そんなこんなで、観ていきます。では、レッツゴー。

選手編成について

www.vegalta.co.jp

GK
背番号    名前    Name    生年月日
1    小畑 裕馬    Yuma OBATA    2001/11/7
21    梅田 陸空    Riku UMEDA    2000/10/27
29    松澤 香輝    Koki MATSUZAWA    1992/4/3
33    林 彰洋    Akihiro HAYASHI    1987/5/7
DF
背番号    名前    Name    生年月日
2    髙田 椋汰    Ryota TAKADA    2000/6/10
5    菅田 真啓    Masahiro SUGATA    1997/6/28
19    マテウス モラエス    MATEUS MORAES    2001/3/6
20    知念 哲矢    Tetsuya CHINEN    1997/11/8
22    小出 悠太    Yuta KOIDE    1994/10/20
25    真瀬 拓海    Takumi MASE    1998/5/3
39    石尾 陸登    Rikuto ISHIO    2001/8/7
41    内田 裕斗    Yuto UCHIDA    1995/4/29
MF
背番号    名前    Name    生年月日
8    松下 佳貴    Yoshiki MATSUSHITA    1994/3/3
10    鎌田 大夢    Hiromu KAMADA    2001/6/23
11    郷家 友太    Yuta GOKE    1999/6/10
14    相良 竜之介    Ryunosuke SAGARA    2002/8/17
17    工藤 蒼生    Aoi KUDO    2000/5/31
23    有田 恵人    Keito ARITA    2002/1/24
24    名願 斗哉    Toya MYOGAN    2004/6/29
27    オナイウ 情滋    George ONAIWU    2000/11/11
31    工藤 真人    Manato KUDO    2001/5/7
37    長澤 和輝    Kazuki NAGASAWA    1991/12/16
50    遠藤 康    Yasushi ENDO    1988/4/7
FW
背番号    名前    Name    生年月日
7    中島 元彦    Motohiko NAKAJIMA    1999/4/18
9    中山 仁斗    Masato NAKAYAMA    1992/2/6
28    菅原 龍之助    Ryunosuke SUGAWARA    2000/7/28
30    西丸 道人    Minto NISHIMARU    2005/6/15
98    エロン    ERON    1998/7/16

基本フォーメーション:《4-4-2》

攻撃時:《3-4-2-1》

守備時:《4-4-2》

基本的なゲームの進め方

①4-4-2ミディアムブロック

②中央を圧縮してボールをサイドへ迂回させる。

SBの迎撃をトリガーに1v1局面を作り出し、ボール周辺の密度上げ相手の時間を削る。

ファイナルラインは1+3チェーンの関係性。

③サイドで奪えれば一気にカウンター。

無理でも相手にボールを下げさせて、そこから全体がプッシュ。

相手のベクトルを後ろ向きにして自分たちは前掛かりになる。

ボール移動で相手が手間取るなら、サイドに迂回させる前からゴリさんはプレッシングゴーをかけさせる。

④自陣からのボール出し

相手プレッシングを引き込んで逆サイドのFWあるいはウィングがボールサイドまでフォロー。

4v4や3v3のフリーマンとして出没して、逆サイドへの解放役を担う。

順サイドを単突破は常に狙う。

⑤中盤からの押し上げ

ポジションチェンジでズレを作って攻撃。

基本的には相手の背後狙うので、FWの外流れがキーになる。

無理はせず順サイドの突破が難しいなら、ファイナルラインをU字移動で逆サイドから攻撃再開。

考察

まずマクロでいくと、きわめてオーソドックスな4-4-2でありながら、「ミディアムブロックでステイ」「相手のミスをきっかけにプレッシングスタート」「リトリートから相手の背後や逆サイドへの解放」など、「攻守の切り替え」がコンセプトにあるゴリさんのチーム。状況の把握、状態の認知、コンセプトに即したプレーの実行が必要で、味方1人がミスをしても全体が瓦解する危険性がある。キャンプスタートから、ゴリさんは「ミスを恐れず前からいって圧力を高めろ」といった趣旨の発言を選手たちに投げかけている。ひとつのミスが命取りになるからこそ、ミスを恐れず前に出ろということだと解釈している。なるほど。育成のひとらしい禅問答のようなコメントである。いずれにせよ、コンセプトに沿ったチームプレーが必要だと感じる。

各論でいけば、前後左右のスプリントは必要で、特にサイドの選手の負荷量は高くなるだろう。右サイドは、小出、真瀬、髙田、ジョージ、有田、郷家、遠藤と厚めの構成なのがそれを表している。左はややテクニカルなタイプで名願、相良がウィング候補で、バックスは内田、サイズとサイドへのカバーを苦にしない知念が候補になる。そこに石尾、ジョージが左右の兼用で試されている印象。そもそも左サイドは手薄だ。あと、攻撃時に3-4-2-1になるため、左SBはバック3化可能なタイプが必要になる。正しいポジションと機を見て加勢できる高い認知能力が必要で、現状内田のレベルが高い。

一方で、右ウィングやFWに1人は10番タイプを置きたがるゴリさん。背後を使うから手前でプレーできる、膠着した状況で打開できる、5秒ほどのカウンター局面で決定的なプレーができる選手が欲しいといった思想。いわゆるエキストラキッカーの存在だ。中島、郷家、遠藤がFWと右ウィングで第一候補グループになるだろう。新加入の有田も、ボールキャリーのスピードが速いだけでなく、ボール保持時もハーフスペースや逆サイドへのインバートを苦にせず、狭いエリアでもボール操作できる。後方の右SBが真瀬や髙田といった、ワイドに高い位置までプレーするハードワーキングタイプなのでウィングの中央でのプレーは必須だ。右サイドで逆サイドのアングルが使える遠藤康は、個人的に推したいところ。キャプテンだし。

ある意味ストロングになるだろうサイドの選手には、ボールを持っても持ってなくてもプレーできそうな選手が揃っている。一方、センターラインをどれだけ固められるかが重要になってくる。

まずはセントラルMF。昨季の実績から、鎌田、長澤が筆頭なのかもしれない。ただひとつ懸念は、ボールを奪う真の6番タイプが不在なところだ。本来、鎌田も長澤も4-3-3のインサイドMFの方がプレーしやすく8番に近い。17番を後継した工藤蒼生に期待がかかるが、シーズン通したパフォーマンス維持をどれだけ実現できるか。工藤真人もボールを奪い展開できるタイプ。ゴリさんのセントラルMFは、ボールを奪うと縦に刺すコンセプトがある。展開より奪って縦に刺すプレーまでをシームレスにできるかがキーになりそうだ。そういう意味では、松下のようなMFは重要になる。重要になるが、チームプレーのコンセプト(味方や状況を度外視したプレーをしないか)と彼の良さがどれだけ共存するかは、まだ分からない。

次はCB。菅田、マテウスとサイズと体重のある選手が揃っている。知念、小出と機動性のあるタイプもいるので、コンビを組みやすい選手同士がスタメンに名を連ねそう。SBの縦迎撃に呼応して、サイドへのスライドが必須になるCB。縦への強さがあった菅田と小出は、横へのカバーでどれだけプレーができるか。横の移動なら知念に一日の長がある。まずはやりたいことをやりたいで、開幕からは機動的な構成でバックスが組まれるかもしれない。ただ、どうしてもリトリートして耐える展開もあるはずなので、構えられる菅田、マテウスの連携を高めていってほしいと思う。

GKだけが昨季と同じ。林の守護神は変わらないだろう。ポゼッションではなく、攻守の切り替えを発生させるようなロングキックを蹴るのが彼の特徴だ。たとえタッチランを割っても、相手のスローイン=自分たちのプレッシングでリスタートできるという、非常に割り切ったドライなマインドができている。2nd GKは小畑のようにも思えるが、梅田、松澤が割って入ってきそうだ。意外と小畑は在籍4年の古参なのだけれど、ポジションを取り切れていない。クバや林といった名GKの壁はあったにせよ、昨季のチャンスを活かせていない。ゴリさんのもと、角度の高い成長曲線が求められる。

最後にFW。ここは難しい。正直横一線のように思える。FWの一席はさっき書いた通りエキストラキッカーが入る可能性が高いので、中島か郷家が入るとすると実質FWの椅子はひとつしかない。外流れできる機動力、押し込んだあとのクロス攻撃で機能するとなると中山大観音は第一候補に思える。菅原が中山を追いかけるような形か。エロンはキープできそうな印象をキャンプで与えている。ミディアムブロックでDFする際に、サイドへボール移動されたあとリポジションできず、中央の密度を下げていた。DF時のプレーがどれだけできるかがキーになりそう。攻撃のプレーは上手さがあると思う。そして期待の30番西丸。非常に利他的なFWで左右への外流れでボールを引き出し、味方を押し上げ、最後のゴール前には相手の認知の外側から飛び込んでくる。利他的なプレーができる選手が少なかったので、武器になりそうだ。新加入の若手選手みんなに言えるが、オフボール時のプレーにもぎこちなさがなく、プレッシングをかわされてもすぐに方向転換して制限をかけていく。西丸もそう。フィジカルを鍛え、プロのスピードに慣れ始めるとこれも武器になる。

スタメン予想

最後に全体像を確認。やはり、セントラルMFがやや薄く感じるか。利き足の都合で松下、工藤真人は左に置いているが、タイプ的には8番タイプの鎌田、長澤側に組み分けされるだろう。左ウィングは、正直やれる選手もやりたい選手もいるのでそこまで問題ではなさそう。競争力のあるポジションは右ウィング、右SBと予想。その競争力がそのままチームの躍進の原動力となればいい。いずれにせよ、どのポジションも競争があってポジションを確約された選手はいないはず。

ちなみに下図は、これまで観た試合やキャンプの練習試合でのプレーを考慮して、実績や年齢をある程度ミックスさせた形でスタメンを組んでみた。個人的に名願に注目。練習試合では、ロングボールのコントロールがうまく相手DFと正対できていたので、たとえば右サイドからのボール解放先になって一気にカウンターを仕掛けられそうだなと感じた。あと貴重な6番役として工藤蒼生。プレッシング適性の高い西丸、有田はモダンな選手なので、フィジカルさえ適合できれば期待だ。

おわりに

実績だけで見れば、昨季と比べて一回りスケールダウンした印象だけれど、代わりに若くてモダンな選手たちが加入している。2019年から、ゲームの進め方が目先の結果と監督交代と選手の入れ替わりとともに変遷してきたベガルタ仙台。言葉を選ばなければ、いい加減地に足をつけてチームを強化して結果を残してほしい。結果というのは、決していい結果だけでなくいわゆる課題も結果のひとつだ。思想だったりチームビルディングの進め方だったり、試行錯誤して強いベガルタ仙台を創りあげていってほしいなと思っている。目の前の1試合に集中して、勝ちに拘っていくなかで成長していこう。

 

【ベガルタ仙台】PASS10N【2024新加入選手分析】

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はじめに

パッション!!!!!!!!!!!!!

どうも、僕です。

今年もやってきました新加入分析の時間です。

毎年大真面目に分析して記事を書いている僕ですが、昨季の大型補強には思わず「エグい」を連呼してしまいました。

成績も内容もエグい感じに終わり、エグかったなあとエグいでした。

マジでほんまに……

さて、そんなベガルタ仙台が今季掲げたのは『パッション』。

それは、こう定義づけられています。

一人一人に灯る情熱の「火」を互いに高め合い、チームとして、クラブとして、大きな情熱の「炎」へ。
強く熱く燃える心の「炎」を原動力に、眼前に立ちはだかる限界の「壁」を仲間と共に超えていく。

www.vegalta.co.jp

 

ちなみに辞書的な意味はこんな感じ。

パッション【passion】 の解説

1 熱情。激情。

2 キリストの受難。また、キリスト受難劇。受難曲。

dictionary.goo.ne.jp

そう。

熱情、激情。つまり熱く、激しく。

そしてひとつ仮説を立てたんです。

『今季はパッションが補強テーマだったのでは?』

一人一人の選手たちを観ていくと、みんなパッションに溢れた選手たちでした。

なるほど。

やるな、庄子春男。

どれだけパッションしているか?いつパッションしてるのか?週末はどんなパッションで過ごしているのか?最近ハマってるパッションは何か?などなど、考察すればするほど、面白い観点が出てきました。パッション!

そんな彼らをパッション目線で、真面目に、熱く、激しく分析していこうと思います。

ん?

 

キ リ ス ト の 受 難

 

よせ!!!

含みを持たせるんじゃないよ!!!

では、レッツゴー。

目次

2024新加入選手について

MF 24 名願斗哉

パッション!!!

今年のイケメンショナルプレー筆頭!!!サポーターのパッションがパッションしちゃうぜ!!!

左サイドをドリブルで突破していくプレーが得意のウィング。

川崎では、三笘に憧れ後継候補とされていた。

個人能力でプロの壁にぶつかり、チームプレーでもまだ未熟さが残る19歳。

伸びしろしかないので、練習から思い切りプレーしてほしいと思う。

あとこれからも絶対に予測変換させないでほしい。

DF 20 知念哲矢

パッション!!!

沖縄といえばパッション!パッションといえばパッション!

そんなわけで沖縄出身、浦和美園経由で仙台へやってきた知念。

我々がことあるごとに仙台の選手かのような印象操作と事実誤認を世間に広めていたあの知念ではない。

左足のキックとサイドでのプレーも苦にしないCB。

リカルド期の浦和で招集されるも、強力なCBコンビの壁に阻まれ出番を失っていた。

シマオ・マテ、平岡以来、仙台のCBは王が不在の状態。

ゴール前に首里城を築き、なんていうかいい感じに琉球王国にしてほしい。

DF 19 マテウス モラエス

パッション!!!

若い!デカい!左足!CB!

まるでカレーハンバーグ唐揚げオムライス弁当のような、男の子が大好きなワードをどびきりに詰め込んだCBだ!

ゴール前でのディフェンスとやはり左足のキックで、他のCB候補に優位に立つ。

自陣で構えられるのが菅田しかおらず、彼が不在時には中心的な役割を担っていきそう。

ちなみに、マテウスとモラエスの2人がゴール前を守るのなんとなく迷宮兄弟っぽい。

MF 23 有田恵人

パッション!!!

速い!うまい!カッコいい!

低い位置からドリブルを開始しても、最前線までボールを運んでいける。

ボール保持で相手を押し込んでいる状況でも、中央や逆サイドに流れたり、ボールを持ってプレーもできるマルチロール。

スピードがあるのでプレッシングも難なくこなし、攻守にわたって貢献できるタイプだ。

なんとかうまいこといってオールナイトニッポンに出てほしい。

『三人』のひとり。

MF 31 工藤真人

パッション!!!

もうひとりの工藤がきた!ユースっ子ってだけでこちらのパッションがパッションしてもうパッションよ!

パッション!!!

ボールを奪って前線にパスを刺せるセントラルMF

ゴリさんのサッカーでは、攻守の切り替え、ボール奪取後のプレーに圧力をかけるので、MFは素早く縦パスを刺すことが求めらる。

オフボールでもプレーでき、モダンなMFだなあという印象だ。

そのパッションで今季中に琵琶湖の水を飲みほしてほしいところだ。

『三人』のひとり。

DF 39 石尾陸登

パッション!!!

安心と実績の仙台大出身SBだ!特別指定しておいて本当によかった!

右足ながら左サイドでのプレー経験もあるSB。

退団したハチを想起させる。

右サイドは実力のある真瀬、髙田との競争だし、左サイドやCBとなると今季加入選手たちとも競争する必要がある。

全部勝つくらいの勢いで、先輩たちを飲み込んで、仙台のフットボールアワーになってほしい。

それは岩尾が来てからでもいい。

FW 30 西丸道人

パッション!!!!!!

ミント!!!!!!みんちゅ!!!!!!

神村学園のエースFW。

左右に外流れしてボールを引き出し、味方の押し上げやプレーを促す利他的な側面を持つ。

非常に泥臭くチームに貢献するタイプのFWだ。

なかなかオフボールでの貢献が少ないチームだったので、彼のプレーは非常に貴重になる。

出世ナンバーの「30」を背負い、僕たちを躍らせてくれ!

『三人』のひとり。

FW 98 エロン

パッション!!!

エッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!

いきなり地球の裏側からやってきたFW。

来日直後は、なんというか可愛らしさがあったのだけれど、キャンプに入って非常に引き締まった戦うFWのいでたちになっていた。

しなやかな身のこなし、ポストプレー、もちろんボール技術も高くマルチにやれそうなFWだ。

DF時に相手MFをカバーできるか、プレッシングの統率を欠かずにプレーできるかがキーになりそう。

実質クリスティアーノこと中島元彦がやりやすい、レベルが高いとコメントしている。昨季の山田寛人との御堂筋ラインからモデルチェンジを果たし、ブラジリアンエアラインに期待がかかる。

おわりに

いかがでしたか?

いかがもなにも、毎年こんな感じの記事を書いてて大丈夫なのか。

去年の「エグい」が「パッション」に変わっただけじゃねえかなんてツッコミが来そう。

まあいいじゃないの。実際、攻守の切り替えで力を発揮する選手が多く、観ている側が激情しそうだ。

J1昇格争い、2011年、J1優勝争い、天皇杯決勝など。

幾多の歴史のなかで情熱を滾らせてプレーしてきた10番が引退。

彼がピッチで火を灯すことは無いが、彼に火を点けられた僕たちや選手たちが、次なる世代にベガルタ仙台の火を継いでいくのだと思う。

火を点けろ、燃え残ったすべてに。

 

そんなこんなで、自分も今年一年また盛り上がっていきたいと思う。

じゃあまた。

 

参考

*削除?されたのか視聴済みの中央大とか仙台大の試合動画が見つからず……

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【Man City v Chelsea】ハーフスペースを巡る攻防【21/22 | Premier】

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目次

はじめに

今回は、『21/22 22節 マンチェスターシティvsチェルシー』の試合を観て考察していく。試合は、シティがリーグ戦を破竹の勢いで進撃している最中で、このシーズン優勝している。当時、チェルシーの監督はトーマス・トゥヘル。ペップvsトゥヘルの名指導者対決でもあった。そんな試合を時系列で振り返りつつ、ポイントを書き出してみた。レガシーというにはまだ日が浅く、最新スタンダードは、さらにその先を行くと思うのだけれど、モダンと言っても差し支えないはず。

www.premierleague.com

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争点はハーフスペース

最序盤のキックアンドラッシュが終わり、徐々にピッチが落ち着きはじめ……的な、オープニングは無く。試合開始とともに、両チームのメッセージが鮮明であった。いわゆる、ハーフスペースの攻防である。攻めるシティと守るチェルシー。まずは、両チームの登場人物と役割から観ていこう。

両チームの初期ポジション

チェルシーは、5-4-1でミディアムブロックを組みつつ、ファイナルラインを高めに設定して中盤を圧縮する。ミッドライン(左からツィエク、コヴァチッチ、カンテ、プリシッチ)の4人の距離は近く、シティに対して狭いグリッドを形成した。FWルカクは、アンカー番としてロドリをマーキング。中央CBチアゴ・シウバは、神出鬼没のシティFWフォーデン番を務めながら、スイーパーのようにファイナルライン背後へのボールへアラートを強めた。マクロはこんな感じなのだけれど、個とグルーピングで守るので、詳細は後述する。

一方のシティ。ロドリをアンカーに4-3-3を維持して、チェルシーの5-4-1に挑んだ。スターリング、グリーリッシュの両ウィングはワイドに高い位置を取り、チェルシーのWBの高さを固定。ベルナルド・シウバとデブライネのインサイドMFが、相手MFの死角となる背中の斜め後ろにポジションをとるはずだった。でも実際には、2人ともハーフスペースからやや外れた外側の位置に基本ポジションを取った。

実際のポジションはこんな感じ

チェルシーのDFにおけるグルーピングと個

ペップシティにハーフスペースでのポジションを警戒させたトゥヘルチェルシー。前述した通り、ミッドラインが絞ることでグリッドを狭くし、中盤を圧縮している。加えて、左サイドは【ツィエク-サール-コヴァチッチ】、右が【プリシッチ-リュディガー-カンテ】がハーフスペースへの警戒を強めた。特にシティのインサイドMFがポジションをとったり、ボールを持つと素早くチェックをかける。そもそもグリッドが狭く警戒も強いため、試合開始からシティはハーフスペースを経由地として利用できず、回避することになった。

SH-R/LCB-MFのグルーピングかつ、カンテとコヴァチッチのチェックスピードは速く、デブライネもシウバもプレッシャーを受けづらいやや外側にポジションをとることとなった。ただ、そんなことは百も承知と言わんばかりのシティ。右ウィングのスターリングが、早速外から内に向かって背後への抜けを狙う。ハーフスペースに強固なブロックが存在するなら、それを避けて、避けてというかなぞるようにボールを進める。CBストーンズやSBウォーカーがボールを持ち、シウバがサイドに向かって離れていけば、チェルシーの右サイドのグループは引き出されていく。左CBサールの背後をスターリングやFWフォーデンが抜けを狙うのだ。それでもチェルシーは、WBアロンソアスピリクエタがマーキングして追いつくし、中央CBチアゴ・シウバが最後の掃除役としてボール落下地点に対して素早くアプローチしてしまうのだ。

チェルシーのDF

ウィングの抜けを狙うシティ

ペップシティに対して、ハーフスペースを簡単に使わせないことに成功したトゥヘルチェルシー。グリッド内のパスとコントロール、入れ替わりなど、シティの土俵での勝負を極力抑えにかかった。回避策としてのロングボールや背後への抜けは、対人戦に強いアロンソアスピリクエタに対応させながら、最後はチアゴ・シウバに処理させるのは相当ズルいなと思った。ただ、そもそもカンテやコヴァチッチなどグリッド内の勝負でも戦える選手がいて成立しているので、個の能力があってこそ関係性が成立するとも言える。

シティのリスクテイク

ボールを保持する時間は少なく、決定機もまばらに訪れるチェルシー。カウンターに転じても、DF時間が長いせいもあってか単発で終わっていた。ただ防戦一方な状態ではありながら、シティに自分たちのDFは危険であると認めさせたことで、最序盤から序盤戦の戦いには勝ったか五分まで持ち込んだように見えた。強力な個が形成する強力なグルーピングに対して、攻め始めたのはデブライネであった。

グリッドでポジションをとるデブライネ

11分ごろから、デブライネはポジションを変えはじめる。本来、ポジション取りしたいハーフスペースでありカンテの背中斜め後ろにポジションを取った。呼応して、左ウィングのグリーリッシュもハーフスペースに移動。チェルシーの狭いグリッド内で2vs4を作る。グリッドの外で待つカンセロから、ファイナルライン背後へボールが供給される。一度、グリッド内でボールを受けて目を集め、外に意識をそらしてから背後へランニングしていく。デブライネもグリーリッシュも、リュディガーの背後への抜けを繰り出した。右サイドはさらに活発に。スターリングの抜けだけでなく、フォーデンの抜け、セットプレーやスローインで右残りしたデブライネまでチアゴ・シウバの横へ抜けていく。シティの攻撃は、①警戒されいてるハーフスペースを回避して背後への抜けを狙う、②グリッド内の人数を数増しして密度を上げる、だ。そもそも、5-4-1という人数の多いかつ内側に絞って圧縮しているDFに対して、加勢させて攻撃に関わる人数を増やすのは定石だ。

11分ごろの象徴的なプレー例

前半通してこんな感じのポジション

そんなこんなで、前半はこんな感じに。両ウィングは内側への意識、抜けを強めて、SBはワイドに低い位置に構えることでSH or WBを引き出す。ハーフスペースの守りを固めるチェルシーに対して、サイドに引き出すことでDFを崩しにかかった。危険地帯を認識しながら少しずつ攻めたポジションを取るのが印象的だった。

膠着した試合を決めたのは

後半からシティのポジションは、4-3-3の初期ポジションに忠実になっていた。最序盤に見せていた形だ。ウィングによるハーフスペースに向かう背後への抜けとWBとの1on1を中心に攻撃する。チェルシーも変わらず。5-4-1の圧縮は変わらない。凄まじい練度だ。ほとんどボール保持され、カウンター機会も散発に終わっているにも関わらず、極小化されたグリッドに変化はない。スターリングとグリーリッシュによる攻撃で、後方のウォーカーとカンセロは時折ワイドに高い位置をとる。「ペップは最後までハーフスペースを攻略できずサイド攻撃に活路を見出したのか」そんなことを思った70分。GKケパからのロングボールに前がかかりにプレッシングをかけたチェルシーアスピリクエタがハーフラインを超えてポジションを取り、リュディガーはサイドのグリーリッシュへの意識を強めていた。交代で入ったヴェルナーがラポルテと競り合ったボールをシティが回収。それまでグルーピングで警戒していたハーフスペースが一瞬、カンテひとりになった。背中でボールを隠しながらハーフスペースを横断するデブライネ。カンテのスライディングに倒れることのない強さを見せ、コントロールショットをゴール右隅に決めた。

感想

いかにハーフスペースを攻め、守るかのポジションやプレーに見ごたえのあった試合だった。シティは、ウィングが背後への抜けを狙ったり、SBがワイドに低い位置にいることでチェルシーのDFを引き出そうとした。デブライネが警戒されているハーフスペースであえてボールを受けて意識を集めたり、瞬間的な加勢で数増ししたり、神経質になっているチェルシーDFに対してイレギュラー対応を強いることでDFを崩しにかかった。ゆっくり保持しながら、素早く背後をとったり。ワンタッチでボールをグリッド内に経由させてみたり。カウンターリスクを共有しつつ、それを回避したり、どこまで、誰ならそのリスクを冒してでも攻めたポジションを取れるのか。それを試合中探りながらプレーしていたのが印象的であった。

チェルシーとトゥヘルも見事だった。5-4-1で中盤を高圧縮に守り、その練度も途切れることなく継続していた。3人のグルーピングでハーフスペースを守り、ウィングやFWが抜けてきても、アスピリクエタアロンソチアゴ・シウバが最後まで着いていく。カンテとコヴァチッチの素早いプレッシャーと整然としたポジションなど、個人能力を大いに発揮できるオーガナイズであった。一方的にチェルシーが殴られ続けたともとれる試合ではあるのだけれど、シティ相手に危険性を認識させた時点で、チェルシーも勝利に値する。

結果論ではあるのだけれど、果敢にリスクテイクしたデブライネが決勝ゴールを決めたのがなんとなく、サッカーっぽいなあと思った次第だ。

 

【お京都】対5-4-1攻撃の片鱗について【吉武博文】

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目次

はじめに

今回は、『おこしやす京都AC vs 阪南大Revolution』の試合を観て、対5-4-1への攻撃について考察していく。今季、後方からの保持で相手を押し込み攻撃していく形をとった吉武先生率いるおこしやす京都AC。ただ、相手もそれを織り込み済みで、自陣にリトリートして強固なブロックを築いた。特に多く見られたのが5-4-1でのミディアム~ローブロック。お京都に限らず、人数をかけてスペースを狭くしたDFに対して、それを崩すことはどんなチームでも時間とパワーがいる。手間暇をかけている間にミスをしてカウンターを許したり、失点しまうことでさらにやりづらくなる。こんな連鎖がシーズン通して続いたように見受けられた。とはいえ、何も一方的にやられていたわけではなく、後方の保持と押し込み、崩しへのトライ、片鱗は見えたと思うのでここに記録する。

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大前提

ポジションNo.表記について

それぞれのポジションにそれぞれの役割があって、それを簡易に説明したい際、ポジションNo.を使用する。基本的なオーガナイズは3パターン。役割の参考元は、2010年のペップバルサの4-3-3から。

4-4-2の場合

4-3-3の場合

5-3-2の場合

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対5-4-1攻撃について

④移動を使った4-4-2→3-1-4-2可変

まず、お京都の基本的なオーガナイズは、4-4-2であるのだけれどボールを保持し攻撃フェーズに移ると3-1-4-2に変わる。これは、CB寺田樹生が一列上がってアンカー位置にポジションをとるためである。⑧‐④‐⑥の3人で中盤を形成し、5-4-1の2MFとFWに対してボール保持を図る。呼応して、両SBがハーフスペースに絞ることでバック3化するため、3-1で後方の保持を担うことになる。

バック3の両サイド(佐々木、小島)が相手FWの横スペースを活用しつつ、2MFに対しては、インサイドMFとFWの4人で負担をかける。ウィングは、できる限りワイドに高い位置。これがお京都の基本的な攻撃フェーズ時のオーガナイズだ。

基本ポジション

④移動後のポジション

インサイドMFの外流れ2パターン

攻撃時のインサイドMFは、山本と岩見である。中央→タッチライン方向へオフボールランしていく外流れについて、1.相手陣への前進フェーズと2.相手ゴール前への押し込みフェーズとで2パターンある。

まず1.についてなのだけれど、バック3がボールを持ってこれから相手陣に前進していくなかで、ハーフスペースからサイドに流れていくプレーがある。

相手サイドハーフ背後に外流れ

阪南大の両サイドは、バック3化した小島、佐々木へのプレッシャー意識が強く、ボールを持つと前掛かりでプレッシングをかけていった。一方で、後方のスペース管理は後方の味方に任せているようで、そこをお京都のインサイドMF(山本、岩見)は使っていた。サイドに外流れすることで、中央MFからのプレッシャーも受けにくく、またウィングが高い位置でピン刺しすることでスペースと時間があった。ウィングのピン刺しとFWのハーフスペース活用とも相互作用しているので、後述したいと思う。相手がバック5のため、両CBからの縦に激しく素早い迎撃も受けにくい場所にポジションをとることで、相手DFを崩しにかかった。

2.のパターンは押し込みつつあるなかで、ウィングに対面でDFするSBの背後への外流れだ。

押し込み時の外流れ

ウィングが落ちて相手のSB‐WBで段差をつくり、背後をインサイドMFが外流れしていく。中央の枚数を削って、本来使いたいハーフスペースを3rdマンが使う。相手の中央MFが2人しかいないため、たとえば逆展開でボールサイドが変わった後だと、長い距離をスプリントして対応する必要がでてくる。また、本来中央でDFしてほしい選手がサイドに引っ張られることで、5-4-1の中央の分厚さを消すようなプレーになる。

さて、ウィングやハーフスペースでのプレーも関連してくることが分かってきたので、そちらについても言及していく。

ウィングの高さ調整とピン刺し

お京都のウィングのポジションは、ワイドに高い位置をとる。相手バック5の両サイドを前方向のベクトルを出させず、スタートのポジションをキープさせる効果がある。ワイドに高い位置とピン刺しである。高い位置で相手SBをピン刺しすることで、手前のエリアでボール保持しやすくなる。これは前述したインサイドMFの外流れと関連する。また、ボールの逆展開後、あえて低い位置に落ちてボールを受けることで相手SBを引っ張りだし、その後方にスペースを創る、バック5に段差をつくる。いずれにしても、味方のボール保持を助け、相手DFを切り裂くプレーを誘発するような、高さ調整とピン刺しである。

実は、この点についてサッカー指導者である北野誠さんが言及されている。以下はブログから引用。

kitamako.com

3−1−4ー2の横浜FCは5−3−2の守備オーガナイズで組織を組むのに対し、サンフレッチェ広島は攻撃時に2−3−5の様な並びになる。今風に言うハーフスペースの攻防で、このスペースを獲るのが上手なのは 吉武博文さんだ。いわゆる『ポケット』への侵入と攻略だ。

どんな前戯を入れて、左右のCBを引き出すかは監督のやり方だが、相手が3バックでも4バックでも考え方は同じだ。肝はタッチライン側にいるWBやSBを何処にピン留めするかになる。

  1. ウィングが高い位置の場合は、インサイドMFが外流れしたりFWが落ちたりして相手のCBを縦に引き出す。
  2. ウィングが低い位置の場合は、インサイドMFが外流れすることでCBを横に引き出す。

北野さんの言葉を借りつつ、試合の事象を照らしてみるとこんな具合だろう。どこにピン留め(ピン刺し)するか。それによって、本当に使いたい「ハーフスペース」の使い方も変わってくるはずだ。

ハーフスペースを使う

いよいよハーフスペースの活用について。まずはボールサイド側から観ていく。インサイドMFが外流れした後、相手の中央MFがプレッシャーをかけてくる。アンカーになった寺田が横サポートしながら、ハーフスペースをFW高田淳平が落ちてくる。ボールを1タッチ、2タッチで移動させつつ、ブラッシングで逆展開。相手がサイドに引き出されているなかで、逆サイドの選手もボールサイドに寄って圧縮していく。相手も味方も入り混じる密集地帯を抜けていく技術として、ブラッシングがある。

ハーフスペースを使う高田

ブラッシングから逆展開

youtu.be

 

次は、逆展開やオープンにサイドでボールを持った際。サイドでボールを受けた選手、たとえばウィングからハーフスペースに斜めに刺す。前述通り、インサイドMFの外流れで相手CBをサイドに引き出したり、あるいはSB(特に小島)がアンダーラップで相手のSB背後に抜けていく。そんな時も、ハーフスペースにサイドからボールを刺すのである。逆展開後だと、リポジションが間に合わず、ここまでうまくいったシーンはあまりなかったかもしれない。それより、右サイドでオープンにボールを持った際に、似たような形はあったと思う。

完璧にこの形というより狙いの形のような図

まあこんな感じで、ボールサイドの密集地帯での使い方とオープンサイドでの使い方とで、ハーフスペースへの入り方、ボールの入れ方は変わっていると感じた。北野さんの言う「どこにピン留めするか」によって、ハーフスペースの使い方も変わってくるのだと思う。

まとめ

つまるところこんな感じだと思う。

  • 静的なポジションで相手を縦に引き出す(④移動)
  • 動的なポジションで中央の選手をサイドに引き出す(外流れ)
  • ウィングの高さ調整
  • 逆展開
  • 本来使いたいハーフスペースを相手を動かしてから使う

ブラッシングはあくまで技術だが、どの選手もある程度実行していたので、密集地帯やプレッシング回避の術として身に着けているのかなと感じた。特に、高田淳平のブラッシングからの逆展開は別格だ。

片鱗の意味

全体的に正確さだったり、スピードだったりはまだまだ不十分にも感じる。せっかくボールサイドを変えても、そこに辿りつくまでに多くの味方が関与しているため、リポジションが間に合わなかったりする。速度を上げてサポートに入る、逆サイドからの攻撃を開始するなどあるが、技術的なミスもあったりするので、そう簡単にうまくいくわけでもない。また、ウィングの攻撃のプレー幅が多いと、より相手DFに負担をかけられるようにも感じる。サイドからゴール方向に向かって抜けるプレーがあると、空けたサイドのスペースを外流れしたインサイドMFや後方のSBがリサイクルもできる。どちらかというと「DFを中央→サイド」に引き出す思想なので、思想違いかもしれないのだけれど……それにマンチェスターシティのDFだって、中央→サイドに外流れする選手をマーキングして中央のエリアを空けて失点したりしている。やはり必要なのは展開後のスピードなのかもしれない。そういう意味で、まだまだ片鱗だなと感じた次第である。

「失敗の質があがっていかない」

youtu.be

Qolyのインタビューに、こう言ったのは”吉武先生”だ。

ようするに「意味のある失敗をしなさい」ということだと解釈している。

「日本は失敗に厳しい」とか「どんどん失敗していい」など、極端な主張をサッカー以外の場面でも見聞きするし、実際言われたこともある。

「失敗の質があがらない」は、その真ん中あたりに漂う絶妙なフレーズだなと、個人的には気に入っている。

プレーや技術の質だけでなく、引き起こした結果の質も追及していく姿は相当ストイックに映る。ただ、そのプロセス、アプローチの仕方に目を向け、ただの失敗をいい失敗に、いい失敗を成功に、成功をいい成功へとつなげていく一歩目になると思う。

一足飛びで、階段飛ばしでジャンプアップできたらいいし、いわゆるイノベーション思考とはそういうものだと解釈しているのだけれど、それには目に見えないおびただしい数の試行と失敗がある。

意思ある踊り場

階段で思い出した”モリゾー”の有名な「意思ある踊り場」。モリゾー”の”というより、”トヨタの”と言うべきか。

成長していく段階において、必ずやってくる停滞期。山を登っていても、一向に頂上に着かない(ように感じる)時があって、途中で止めたり、下山することもできる。いかに未来へ向けた一歩を踏み出せるのか。停滞ではなく、成長する、上達するために力を蓄える期間にできるか。経営組織における課題もピッチのおける課題も、本質は変わらないはずだ。ひとがかかわるので。

toyotatimes.jp

失敗の”仕方”

ただどうすれば成功するのか、成長できるのかを知り、体現するのは並大抵なことではない。そもそも、成功への因果関係など存在しないからだ。

野中先生は、旧日本軍の失敗の”仕方”をまとめあげた。面白いことに、失敗には失敗なりに、”やり方”が存在する。

じゃあその失敗の仕方にこだわりなさいは、ある意味で成立するわけだ。どうしたらうまくいかないかを理解して、二度と同じ失敗をしないことも大事ではあるが、何かを為そうとしたときに、一度でうまくゆくはずもないので失敗するならせめてうまく失敗しましょうといったところか。

www.hitachi-hri.com

”吉武先生”について

さて、吉武先生が監督のおこしやす京都ACなのだけれど、残念ながら降格が決まっている。序盤からの苦戦がシーズン終盤まで続き、重要な試合で勝ち点を取りきれず、結果としてはうまくいかなかった。

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4-3-3でワイドに高い位置に張るウィングがいて、アンカーが存在しつつ、アンカーはsalida lavolpianaでバック3を形成し、SBがインバートしてMF化する。ハーフスペースから攻撃を開始して、後方から中盤でボール保持。”逆展開(サイドチェンジ)”でウィングを使って相手を押し込んでいく。

ボール保持とポジションチェンジをベースに、何度もサイドチェンジを繰り返して、相手をゴール前に押し込んでいくゲームの進め方は、日本においてまだまだユニークだ。

アンカー兼CB寺田樹生(テラ)は、今季のチームのキープレーヤーで、CBとして前掛かりにプレッシャーをかけ、ボールを奪うと”アンカー”になりセンターサークルで攻撃のタクトを振るう。

吉武先生の試合中の声掛けは、「たつき!じゅんぺいと違う動きで受けないと!」「逆ポケット使って!」「粘る!」など、数学教師のルーツでありながら、言葉や言い方はまるで音楽の先生のようだ。*呼称や用語はそのままです。雰囲気伝われば。ご了承ください

テラは、そんな吉武オケの指揮者だ。

終盤は、CBテラの上下移動を使った【4-4-2⇔3-1-4-2】になっても、ハーフスペースをとったり逆展開は変わらず。

今季積み上げたものは少なからず形になっているのだ。

勝利へのこだわり

とはいえ難しい……

降格してでもやるべきことがあるのか。「耳をすませば」主人公”雫”の言う、受験より大事な「試すってやつ」みたいなものが。

僕は、このissueに対して解を整理できていない。つまるところ我々は、トップのディビジョンで何をしたいのか、何を主張したいのか、何にトライしたいのか。クラブとしての取り組みのなかで、目指したいもののなかで、上のディビジョンでなければ成し遂げなれないものが何なのか。意外と簡単に言えないなあと。

とはいえ、勝利や昇格に拘らなければ、サッカー選手を続けられないかもしれないし、クラブだってなくなるかもしれない。うまくいかなくていい、失敗していいと初期の段階で認知して取り組むことに、それこそ意味があるのか。

一番いいのは、やるべきことをやって失敗しないことだ。当たり前だけれど。

なので、本質的にはそこへ向かって努力し続けることかもしれない。今の僕にいえるのはそれくらい。

「ひとつの勝利にこだわる。そのためには、失敗の仕方にすらこだわり、意味のある失敗をしてその質をあげないといけない」

2023シーズンのベガルタ仙台

そんな文脈で、今季のベガルタ仙台なのだけれど。

どれだけ、高い質の失敗ができたのか、と問われると、非常に厳しいものがあると感じている。

伊藤彰の表現したいサッカーは、4月の一日で変質してしまったし(3-2-2-3で後方から保持する形から4-4-2のファストブレイクに変更)、堀孝史もチームを再浮上させるためにモデルチェンジを繰り返した。

そもそも、3-2-2-3だったり、4-3-3だったり日本において稀有なオーガナイズとゲームの進め方で、表現できる選手もなかなか取り込めない。一方で、そんなオーガナイズが当たり前のようになっている欧州の最前線での需要は高く、日本の若い才能たちは海外へと羽ばたいていく。先鋭的なオーガナイズを選んだ以上、その浸透とそれこそ失敗を繰り返して成功していくには膨大な時間がかかる。選手集めも含めて。トップだけが取り組むテーマでもないはずだ。あまりに現実離れしたチーム戦略、編成の失敗を咎められた一年だったように感じている。

テキスト速報のような”結果”だけが、ピッチとスタンドとをつなぐ指標になってしまった。

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クラブ内外でのゴタゴタもあり、振り返りたくない1年でもあるのだけれど、何をもって「勝ち」とするのかの共通理解、徹底がなされなかったシーズンだったと個人的には振り返っている。

優勝、昇格という、気持ちのいいフレーズだけが独り歩きして、時間軸の共有がされず(本当に今季優勝を狙えたのか?)、戦略ミスをピッチ(現場)レベルで帳尻合わせようとしたことが、今季のベガルタ仙台の失敗の仕方だと考えている。

誰もがひとつの目標にむかって努力して、その質をあげようとしていたか。ベガルタ仙台にかかわるみんなが、バラバラのまま個人個人が奮闘し、各個撃破され、そしてシーズン終戦を迎えてしまった。

失敗も成功も無いなか、現実的な昇格の希望がなく闘うのはつらいことだと思うし、闘い続けた選手やスタッフは本当にプロだと思う。ユアスタに足を運びつづけたサポーターは、まさにチームをサポートし続けたと思う。だからこそ、こんなシーズンは二度とやっていけないはずだと、強く思っている。

庄子春男の仕かけ

そんななか、仕かけたのはGMである庄子春男だ。

ポイントはいくつかあるが、こんなものだろう。

  1. 生え抜きの数を増やす
  2. 平均年齢を若くする
  3. 地域貢献する

組織を持続的に発展させていくうえで、人的資源の課題は組織経営においても非常に重要なテーマである。サッカーにおいては、「いい選手を早い段階から採り長くクラブで活躍してもらう」ことだと思う。

仙台は長らく期限付き移籍での獲得と中心選手の放出との間で揺れ動いていた。盤石といえない人的資源供給源のなか、奇跡的にかみあった結果が天皇杯準優勝だった。大きいことをいえば、毎年タイトルに絡むには奇跡的な噛み合わせより持続的な発展の方が、絡む確率があがるはずだ。

それでも、やはり重要なのは「勝ちに拘ること」。何をもって勝ちとするかを定義づけるのと同時に、目の前の1試合に勝つことに拘ることも重要で。そもそも、そこに拘って努力するからこそ、ひとは育っていくものだと思っている。思っているというか、そう信じている。個人的には。

”ゴリさん”の招聘

U-17日本代表監督だった森山佳郎”ゴリさん”が、2024シーズンの監督となった。

これほど想いや考えを持って仙台へやってきた指導者がいただろうか。(笑)

チームとしてのあるべき姿からゲームの進め方まで、ゴリさん自身が仙台で達成したいこと、その仙台が実現したいことも含め、将来像を語った。

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庄子さんとゴリさんの目は揃っている。

いや、庄子さんが描いたベガルタ仙台像に必要な指導者として、ゴリさんが最適だったというわけだ。ゴリさん自身も、仙台で監督をしたいと”逆オファー”していたようで、両者にとって理想的な関係といえる。

長期的なビジョンだったり、選手育成的な側面がクローズアップされるが、求めるプレーはすごく具体的で根本的な内容だったと感じた。

攻撃の際に相手ディフェンスの背後やゴールに向かっていく迫力や、ピンチの時に死ぬ気で全員が戻ってくるスプリント、最後の局面で体を張って失点を防ぐといったプレーだったり、点を取るためのバリエーションだったりと、結果にたどり着く道筋は増やしていきたいと思っています。

ひとつのプレーに拘れず、勝利に拘れない。そんなひとつ一つの積み重ねが、大きな目標を実現する糧になると、好意的であるかもしれないがそんな解釈をした。

特に、アンダー世代のW杯など、仮に勝てなくてもこれからのサッカー人生で、もっとうまくなって技術やプレーの質を高めていくことになる。ただ、目の前の試合に、勝利に拘らなければ、そんな”今後の目標”もどこか他人事のように聞こえてしまう。

育成か結果ではなく、結果を追求していくからこそ、ひとが育っていく。吉武先生の失敗の質と同じように、ゴリさんの絶妙なスタンスは選手やチーム育成に必要な視座なのかもしれない。

今年のブログについて

結局、年間を通して継続した更新はできなかった……

日々積み上げることが大事だと言いつつ、この体たらく。まったく恥ずかしい限りだ。とはいえ、来年で6年目を迎えるのだけれど、なんだかんだ何かしらの更新自体は続いている。とりあえず何か、は大事かもしれない。無いよりマシ的な。

サッカーをよく観るようになってから12年くらい経つわけだけれど、当時よく読んでいたブログのサッカー店長(龍岡戦術分析コーチ)と、まさに当時憧れていたU-17日本代表の監督だった吉武先生(吉武博文監督)のツーショットを見れるなんて思ってもみなかった。

長く向き合っていたら、こんなこともあるんだなあと勝手に感慨深くなっていた。

僕は、書けなくなったら辞めるつもりだ。

昔は書きたいという気持ちが書く行為を追いこしていって、とても追いつかなかった。

純粋な書きたい気持ちが、僕の書く原動力だった。

今年もなんとかその気持ちの灯は消えることなく、書くことができた。

来年もまた書けたらいいなと思っている。

書かなくても何も困らない自分を認識した時、書くことの意味を考えたこともある。特に今年はそうだった。書かなくてもきっと僕はただの一人のサッカーファンなんだろうし、何があっても、ユアスタの最上段から応援しているに決まっている。

自分にとっての付加価値である書くことが、応援とセットのひともいれば、観戦の延長戦上というひともいるだろうし、自分の主張を述べたいひともいる。全部が全部のひともいるだろう。

仙台が勝っても負けても、この人生のなかでは幸せな時もあれば不幸せにもなる。僕が書こうが書くまいが、仙台は勝つし、人生のその瞬間もまた幸せなのかもしれない。逆に一所懸命に書いたところで、仙台はボールを失うし、日常に不幸なことが重なるのだ。

今年を通して、僕にとっての書くことは、まあこんな塩梅に落ち着いている。ある意味やるだけ自分にとって得かもしれない。もっと他にパワーを割けるという意味においては、無駄なことかもしれない。

フワフワと漂っている感覚が、今はすごく落ち着く。

くじけそうな何かがあっても、書くことで、僕は僕を再び認識する。仙台が勝てば、それがどれだけうれしいことなのかを噛みしめながら、また書くだろう。

youtu.be

 

今年もお世話になりました。

来年もまた、よろしくお願い申し上げます。

日本vsオーストラリア【AFC U17 ASIAN CUP】

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試合について

www.the-afc.com

内容について

日本の組織的守備

 試合開始からの両チームのキック&ラッシュが落ち着くと、オーストラリアは3421でボール保持攻撃、日本は442でミディアムブロックの構図になる。オーストラリアは、自陣からのボール出しで、バック3を維持するので、日本の2FWとは数の不一致を起こしている。そのため、右ウィング佐藤が加勢して、左CBに対して外切りでプレッシャーをかけていく。2人のFWと4人のMFが中央へのパスラインを狭くするよう守るので、オーストラリアのバック3は中央から左サイド方向へボールを進められず、右サイドからの一点突破に偏っていった。日本は、オーストラリアの攻撃を自分たちの左サイドへと制限し、次のホルダーを予測。マンマーキングでボール奪取を試みた。特に、キャプテンマークを巻いた左SB小杉、MF山本と中島のコンビ、左CB永野の予測と集中は見事で、彼らのボール奪取で日本の組織的なDFを成立させていた。

"偽装"ポゼッションからのファストブレイク

 実は、日本もオーストラリア同様、GKを含め4-2で自陣からボール出しをしている。加えて、FW名和田、右ウィング佐藤がハーフスペースを降りることで、オーストラリアのバック3を誘き出そうとする。ラインにギャップができれば、左ウィング吉永、FW道脇がライン背後への抜けをトライする。日本は、相手が日本陣内でプレッシングモードに切り替わっているのを見ると、迷わず前線で抜けを狙う味方へロングを蹴り込んでいった。自陣で相手のプレッシングを剥がして、ボール出しを狙うのではなく、まずはボールの「ポジション」を相手陣内にポジション取りさせ、そのポジションに対して選手が殺到する、ポジションをとっていくボール出しであった。攻撃としてはファストブレイク(ボールもひとも速くして素早く相手DFを打開していく)だ。オーストラリアの3421は、オーソドックスに541でDFをセットするため、相手陣でボール保持して打開をかけようとすると、人数差や体格差で負けてしまう可能性が高まる。そうなる前に、自陣でのポゼッションを疑似餌に相手を誘き出し、ポジションをバラバラにして素早く攻撃していった。特に、2点目はその象徴で、パス2本でFW道脇がゲットしている。

オーストラリアの修正と統率を欠かない日本

 前半25分ごろの飲水タイムで、オーストラリアは修正をかける。これまで3421の21は、日本のバック4に圧をかけるようなポジションをとり、CB-SB間へのアタックを重視していた。おかげで、後方の保持が制限されているにも関わらず、全体が間延びしていて、ボールは持っても前進できずにいた。飲水タイムで、日本の右ウィングが前掛かりなのを利用し、その背後をとるようになる。左MFが日本のFW‐WG間にポジションを取り、CBからボール供給を受け、日本の4-2のプレッシャーラインを超えるようなトライを始めた。呼応して、左インサイドMFDi Pizioが降りて、佐藤の背後にポジションをとる。そうなると、WBとあわせてサイドにオーストラリアの選手が浮くことになり、日本はSBの縦迎撃を強化するか、MF中島の横カバーが必要になっていく。これは、両サイドで同様の状況で、オーストラリアのインサイドMFが降りるようになり、日本はサイドを限定できていた序盤の状況からピッチ全体を守らないといけない状況に陥っていった。それでも、日本の選手たちに動揺はない。スコアリードの精神的優位性を少しずつ活用し、攻撃機会が少なくてもDFにパワーを注いだ。1点差になっても崩れることなく、逆に精神的に摩耗していくオーストラリアに対して、スローインから追加点を挙げる。試合の最終盤は、むしろ日本のチャンスも多く、余力を見せながら試合終了のホイッスルを聞いた。

感想

 やっていることは、シンプルだった。442のミディアムブロックを軸に、相手の攻撃を中央に分散させずサイドへ制限をかけ、自分たちのストロングであるマンマーキングのボール奪取に持ち込んでいった。攻撃もファストブレイクを軸に、自分たちより前にボールのポジションを置くことで、リスクのある時間帯や状況を予防しつつ攻撃していた。オーストラリアは、飲水タイムの正前に2点リードされたこと、局面でのボールコントロール技術は日本の方が高かったことから、選手にとってかなり劣勢な状態だったように感じる。日本はうまく嵌めたとも言え、相手の修正が早かったり、同じスタイルのサッカーで個人の質の勝負になると、ここまでの統率を維持できるかは様子を見ないといけないと思う。いずれにせよ、物理的にも精神的にも安定して、序盤からリードを積み上げるのは勝者であり強者の証だ。

 

【Never ever give up!】Jリーグ/第31節 vs大宮アルディージャ【ベガルタ仙台】

はじめに

さて、31節。

さっそくゲーゲンプレスで振り返ります。

では、レッツゴー。

 

↓この試合について。www.vegalta.co.jp

 

攻防の郷家と長澤和輝の6-8変換でとったバランス

劇的な勝利で終わった今節。

90分+アディショナルタイムまで拮抗状態を継続させ、最後の最後、CKからの決勝点でぎりぎり間に合った。

大宮3223の攻撃に対して、4411のミディアムブロックで中盤からの押し上げで対応。

特に、トップ下郷家のカバーが特筆すべき点だった。

大宮バック3へ、仙台ウィングは外切りで寄せていくが、ウィング背後を使うインサイドMFをエヴェ、長澤のMFがタッチライン方向へ寄せて制限をかけていく。

2人が空けたスペースを郷家が落ちてカバー。

特に、大宮の右サイドは、右インサイドMFアンジェロッティがウィング齋藤学の背後へ落ちて、エヴェを誘き出したスペースをMF高柳が再利用しようとしていた。

そこへのアラートの高さを見せたのが郷家で、仙台は中盤2-1の3人が中央エリアへの警戒を強めていた。

大宮も両インサイドMFの外流れからのロングセカンド狙いに重きを置きはじめたので、仙台のDFとしては相手を困らせていたのだと感じる。

 

そして、攻撃時には郷家は左ハーフスペースにポジションをとる。

CBカイケの視界に入りつつ、すぐにアプローチされないような位置を調整。

大宮は、前線にアンジェロッティとシュヴィルツォクという攻撃時に高い能力を発揮する選手がいる。

ただ、アンジェロッティは、DF時になると首を振る回数が減り、自分がカバーする後方のエリアへの情報更新が滞っていた。

加えて、対面で仙台のSB内田がボール保持するため、ボールから目を切ることができず、より状況のアップデートタイミングがつかめずにいたように見えた。

また、シュヴィルツォクは逆サイドへのひとつ飛ばしパスのパスコースを警戒するような最低限のポジションを維持。

スプリントもなく、大宮541ミディアムブロックは、ほぼ無抵抗のまま自陣で5-4で守ることを許容することとなった。

仙台としては、そんな大宮の前線のポジションや認知を利用して、中央をカバーして高負荷となっているMF高柳の背後に郷家を立たせた。

CBカイケにも影響を与え、制限がほぼかからない内田から、中山大観音の背後への抜けを数多く引き出した。

仙台としては、そこからロングセカンドでウィングからのクロスだったり、郷家のボックス内へのランニングで攻撃していく基調だった。

 

左サイド偏重ともとれるが、右サイド後方の保持が安定していたことで、左サイドの攻撃が可能になっていた。

仙台は、4231から433で攻撃ポジションをとるが、この試合は424(244)ともとれるような、右MF長澤がエヴェと同列を維持するようなポジションをとっていた。

これまでは、433かつボールより前方に選手がポジションをとっていたが、代わりにカウンター予防に脆弱さが出ていた。

この試合では、ホルダーの周辺に味方が多く、424のような中盤から後方に人数を割いていてより戦術的な選択肢をとった。

右サイドでエヴェと長澤とで保持することで時間を捻出して、味方がポジションをとる時間をつくった。

前述した大宮541DFのおかげでもあるが、シュヴィルツォクの周辺で保持できたことが大きい。

より高い位置でSB蜂須賀、右ウィング松崎へボールが移れば、ハーフスペースを駆け上がったりして、MFとライン間の高い位置をポジション調整していたのはさすがだった。

左ハーフスペースは、郷家が主にポジションをとり、右は空けて松崎のカットインだったり長澤が上がるスペースとして空けていたのが特徴だったか。

 

感想

それぞれの役割を整理して、その役割への理解が進んでいるなという印象を受けた。

特に、長澤、齋藤学と経験も実績もある選手の察しのよさ、解釈能力の高さに助けられている。

ほかの選手たちにとっても、お手本というか、真似できる対象になるのではないか。

一方で、明瞭な役割は味方だけでなく、相手にとっても助けになる。

仙台への分析が進み、対応するための策を用意してくることも可能になる。

ポジションをとって、ボールゲームを主体として進めていくのであれば、ボールコントロールだったりポジションへ入るタイミング、保持にかかわる技術を上げていくことで乗り越えていくことが必要だ。

これは、これまで感じていることと同様。

おそらくその路線でチームも進むのではないだろうか。

いずれにせよ、DF時のプレスバックや自陣ゴール前に人数をかけて足を出すなど、より原理的なプレーもよく表現していた。

そのあたりとボールコントロール技術など、サッカーのベースとなるような部分で積み上げて、強みを発揮していけば、今の順位が不当であることを証明できるはずだ。