蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

【2021年度版杜の都から世界中を照らしてほしい】ベガルタ仙台 選手分析

はじめに

 どうも、僕です。唐突に思い出したんですね。「そういえば、今季って新加入選手なり所属選手なりの分析してなかったよな。まあ毎年してるわけじゃないし、そもそも分析じゃないしな。あと寿司食いてえよ」ってな具合で。ということで、誰よりも遅い「2021シーズンベガルタ仙台選手分析」の始まり始まり。細けえことは良いんだよ。行くぞ。何を恐れてるんだ。赤信号皆で渡ると轢かれるだけだ。

 

2021ベガルタ仙台選手分析

GK

「ヒロイン」

小畑 裕馬

我らがヒロイン。足元が良い。顔も可愛い。マダムキラー。マダムキラーって言葉が令和の社会構造に当てはまるのかと思ったが令和はバブみだった。私は何を言っているんだ?

「センター分けと市船で同期」

井岡 海都

井岡。決してボクシングではない。仙台のGK陣はいつもレベル高いがその一角を担う新世代。

「デカい」

ストイシッチ

デカい。何よりデカい。とにかくデカい。意味分からん。???「GKはデカいと良いと言われるがGKはデカいと良いです」

「クバ様」「クヴァ神」「反り」

ヤクブ スウォビィク

我らの唯一神クバ。ファイナルファンタジーリスペクトで僕の場合は「クヴァ」表記。正しい表記は「神」。止める。めっちゃ止める。あとすげーキャッチする。全集中の使い手。デーモンスレイヤー。

 

DF

「ハチ」「戦国武将に居そうな名前ランキング上位常連」

蜂須賀 孝治

我らがキャプテン。がんばりすぎたり、背負いすぎたりするのがプレーによく見える熱い漢。左右両足からえげつない角度で落ちるクロスを蹴りこむ。いまだに大卒のイメージがあるのは僕だけか。僕だけがいない街か。

「アピ」「アピ久」「Qちゃん」

アピアタウィア 久

和製ファンダイク。和製とつけるとどうしてもパチモン臭がするから、和製アピアタウィア 久で良い。なんなら和製なんかいらない気がする。気がするだけ。速い。あの背丈で相手FWとの競争で互角なんだからやばい。自分の才能だけでは解決しないことも世の中あるってアレをもう覆してやってくれ。

「DFリーダー」「富田と同じで必ずスタメンに帰ってくる男」

平岡 康裕

カバー全一。相棒のDFを選ばない。もちろん自ら闘うこともいとわない。ノブリスオブリージュ。2バックだろうが3バックだろうが女子高生のスクールバックだろうがライフハックだろうがなんでもいける。多分。

「宮城が生んだファイター」「ぺこぱの茄子じゃない方に似てる」

吉野 恭平

センターバック、MFでボールをハントし続けるファイター。ハンター協会所属。放出系の念能力者。毎回バラバラにならないか心配するくらいにボール狩りに出かける。案外、本人にとっては紅葉狩り気分なのかもしれない。テグだからMF起用と思いきや結局センターバックに。

「島尾摩天」

シマオ マテ

この字面で分かるだろう。最強の盾。鬼弾き。実は彼も読みのカバータイプだったりする。ただ全力カバーとデュエルで来るから超怖い。無理。やだ。世界基準の選手のひとり。笑顔も世界基準。

ハヤテのごとく

長倉 颯

後方のポジションを色んなところができるポリバレント。J1スタンダードを仕込まれたら絶対に力になれるはず。絶対とはずを同居させるあたりが僕の小心ぶりを表す隙あらば自分語り。

「第二世代ステルス戦闘機」「なぜそこにいる」「センター分け」

真瀬 拓海

攻撃力のあるサイドバック。ウィングもできるサイドのマルチロール。自ら縦に運ぶちからもあるし、ボックス内へ入っていくアタッカー気質もある。あとセンター分け。最近はサカナクションのボーカルみたいな髪形になった。25番とは、河原で腕組みおじさんからしたらエモエモのエモだ。おかえりモネ。エゥーゴのネモ。

「テル君」「杜の都のキミッヒ」

照山 颯人

いかにもモダンなサイドバックでありセンターバック。スペース認知力の高さからの持ち上がり、縦に刺すパスなど、レンタルで頼もしくなって帰ってきてから仙台の攻撃を後方から支える。頼むからキレてFKぶち込んだりドルオタにならないでくれ。その枠は埋まっている。

MF

「待望の左足サイドプレーヤー」

秋山 陽介

サイドバックで使うなと言われて使うのが手倉森ベガルタ。もっと前目の方が良いかもしれないが、クラブも2番を与えているところを見ると主戦場はやはりサイドバックか。真瀬みたいなプレーができたら厚みがでるが、そこまでの余裕が無いのがつらい。がんばって前線のメンバーに絡んでほしい。

「力也さん」

上原 力也

磐田からのレンタル。まさかレンタルできるとは。「レンタル移籍は完全移籍」の格言通りのオフを今から期待してしまっている。あと阪口大助さんが小山力也さんのことを「力也さん」と呼ぶから僕も力也さんと呼んでいる。多分、僕と阪口さんくらいじゃないか力也のことを力也さんと呼ぶの。言いすぎか。ちなみ、小山力也の真似をしていたのが杉田智和だった。オフボール魔人。あとミドルレンジのキック魔人。もう少し前の仙台でも見たかった。

「セキ」「魂」「7番」「声が高い」

関口 訓充

俺達の関口訓充。黄金の精神を引き継ぐ者。彼がいるといないとで劇的に変わる。あんの若造がこんな立派な選手になっちまって。河原腕組みおじとしては(以下略。俺達は、あなたの背中にいつも勇気をもらっているよ。

「天才」

松下 佳貴

空間把握能力の鬼。左足アウトサイドパスの使い手にして、グティパスの正統後継者。やばいと思ったらなんの躊躇もなく走り足を出す。そのせいで怪我もする。怪我しようがなんだろうがやばいなら止めるだろ?止める奴が俺しかいないならやるしかないだろ?っていうそういう人。天才ですよ。

「タカチョー」「#萌袖は正義」

石原 崇兆

ワイドアタッカー。サイドのマルチロール。ウィング、サイドバック、ウィングバックなんでも来い。左右両足から高速クロスをゴール前に放り込む。体がめっちゃ柔い。テクいのにハードワーカーなのも激萌えだ。あと萌袖であることをやめない。

「フェニックス」

富田 晋伍

仙台の心臓。結局我々は富田晋伍に還るんだ。私に還りなさい。生まれる前に。どんな戦い方でも彼が必要になる時がやってくる。怪我による長期離脱から不死鳥のごとくピッチに帰って来た。

「しょーご」「ヘッダーじゃない方の中原」

中原 彰吾

中近距離のパスが得意なMF。と思ったら、この前の試合はサイドハーフで出場。しかもめちゃくちゃカバーに戻る。ゴリゴリのワーキングウィンガーに。コケになってくれ。

「ちーちゃん」「ちー」「千」「加藤千尋」「怪物」

加藤 千尋

最強の大卒。いやエグイて。めっちゃエグイねんて。ボールホルダーもサイドの選手もどっちもマークするし深追いするしゴール前に出て来てヘディング決めるしスローインからヤバいミドルぶち込むし新人なのに一生試合出させられるしそれでも「謙虚にがんばります」感が出てるのがもう完全に怪物級新人のそれなのよ。なろう系よろしく「俺またやっちゃいました?」って感じでゴール量産してくれ。頼む。

「TAKUMI∞」「2+8」「髪型」

佐々木 匠

仙台待望の才能。本人公言通り10番を目指す。ただ未完の大器とも紙一重。サイドでは難しいと見られているのか、最前線での起用が多い。キックだったりテクいプレーは健在。あとは似たようなタイプが増えた今の環境でどれだけ自分の価値を出せるか。勝負だぞ。あと髪形はくせっけで大変だよな。分かるよ。もっとボリューム落とした方がセットしやすかったりするぞ。あいつらは押さえつけようとすると反発してくる。もしかして現状を覆そうとする匠なりの隠喩なのかもしれない……多分。

「ワタル」「魔神英雄伝ワタル

田中 渉

左足から繰り出されるパス、前線で前を向ける攻撃的なプレーヤー。MFだったりサイドだったりいろいろやる。もっと試合に絡んでくると思ったが、テグ的にはまだまだなのか。ハッキシ言っておもしろカッコよくがんばってほしい。これ、エールになってるのか?

「衝撃」「香川真司の再来」

氣田 亮真

ひとたびボールを持つとドリブルで仕掛けまくるドリブラー。衝撃を与えたいと言うあたりさすがドリブラーなメンタル。個人的には、抜きまくるというか、ボールタッチを高速に連続でやって相手に触らせない感じ。試行回数が多いから間違えやすいがそこは高い技術で間違えないようにするのが信条。狭いエリアでワントラップで前を向く香川真司を思い出す。

「髭」「髭」「髭」「髭」「炎の戦士」「ピート」

フォギーニョ

いや髭でしょ。そこに触れないわけにいかないやん。というか触れなかったらむしろ面白いまであるぞ。河原でハムを焼いてそうな外国人選手ランキングにランクインしていくはず。福岡ファンマとの対決も五分五分だった。いやこちらが優勢だったのでは?MFとして腰をかがめてスペースを守る魔人。味方を追い越して相手を引き出すオフボールの魔人。

 

FW

スーパーサブからスタメン常連へ」「あってすぐ」

赤﨑 秀平

ボックス内の動き出しレベルが高いFWらしいFW。スーパーサブ的にこれまで来ているが、今季は9.5番の位置でカウンターの一発目のパスを受けて最前線へ供給する役割も担う。この前の試合では、髪色が青くなって青崎になっていた。FWの枚数が少ないとはいえ、2人のFW枠を掴んで離さないようがんばってほしい。

「左ハーフスペース突撃男」「プーチンが手放したくなかった選手」「ベルナベウに立った」

西村 拓真

普段の風貌からは思いもよらないようなゴールへの激しいアタック。ゴールを奪えばピッチを滑り仮面ライダーになる。これまで頼りになる先輩FWがいたが、今季は自ら引っ張っていってほしいものだ。

「テグの申し子」

皆川 佑介

なんとなくどこか惜しい気がする。気がするだけ。ただ誤解されている気もする。ハイタワーでなく飛び出し系なんだなって。そう思ってたら川崎戦でゴリゴリにハイボールを競って勝つから成長途中なんだって腕組みおじ(略

「マル」「手のひらドリルの原因」

マルティノス

おまたせ。ついにマルの紹介だ。切り札として試合終盤で出ると、少ない時間のなかでも審判と熱いコミュニケーションを取り、芝生ソムリエとしての仕事もきっちりこなす。ただ試合頭から出ると守備をめっちゃ頑張る。なんだできるんやん…とてつもないポテンシャルの塊でエグイゴールを川崎相手に叩き込んだ。サイドで自由にやらせると何かが起こりそうな感じがすごい気がするような雰囲気がやばいってなるっぽい。

「韋駄天」

エマヌエル オッティ

たった1試合の途中出場で「コイツやるな」と思わせたドリブラー。オンオフボールしっかりやれるタイプで、アフター5の飲みの付き合いとか家族サービスとかなんかその辺もしっかりしてそうだ。知らんけど。

「ワンダーソンフェリペカルドーソドスサントス」「めっちゃ良さそうな外国人FWだ!」

フェリペ カルドーゾ

まだ数試合しか試合に出ていないがやってくれそう。鬼キープする。カウンターでも突破できる。DFもする。なんなんだ今季の仙台は、大卒も外国人選手も外れ無しなんじゃないか。いける、いけるぞ!

「実質アグエロ

セルヒオ・クン・アグエロ

いつも心にアグエロが。バルサ移籍らしいが、きっとFCみやぎバルセロナに違いない。いつまでこのネタ擦るねんってひとも、え…内輪ネタとか激寒というひともどうぞ。

sendaisiro.hatenablog.com

 

おわりに

 さていかがでしたでしょうか。その辺の調べてみました!系記事よろしく何も詳しいことは書いてないので、もしベガルタ仙台の敵情視察を期待して読んでくれた方がいたら申し訳ないという気持ちと勝ち点ください選手貸してくださいという気持ちでいっぱいです。連戦も終わりそろそろ中断期間に入りますが、途中加入した選手たちも含めて、これからが本当の戦い感があって楽しみです。

【ワンダーボーイは坂を昇る】Jリーグ 第15節 ベガルタ仙台 vs 大分トリニータ (2-1)

はじめに

 さあ、いきましょうか。ホーム大分トリニータ戦のゲーム分析。負けられないシックスポインターズ。ユアスタを選手が駆ける。目指すは勝ち点ただひとつ。勝敗は激闘の空中戦にある。そこに、現れる、ワンダーボーイ。今日も、ゲーゲンプレスで振り返ります。では、レッツゴー。

 

目次

オリジナルフォーメーション

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ゲームレポート

大分が取ったハイボール攻撃

  この試合、仙台は耐えに耐えて、後半にワンチャンスをものにして勝利を得ている。それは、仙台要因が少しと大分要因だったことが大きかったように見える。前半は、幸先よくカウンターから先制点を取った仙台を大分が殴り続ける構図が続いた。だが、後半になると大分の攻勢が落ち着き、仙台もボール保持攻撃をする機会が増えていった。松下、上原がセントラルMFにいない構成だったため、非常に厳しい状況だったとは思うけれど(少なくとも関口がFKキッカーを務めるくらいには)。

 仙台の4-4-1-1ディフェンスに対して、大分は十八番の3-4-2-1でセット。ポジションも大きく動かさず、両WBがワイドに高い位置を取り、シャドー+センターFWの3人が仙台のDF間を攻撃する形だ。特に3-4-2-1は、4-4-2の間に初めから選手が立つ特徴のフォーメーションであり、ある意味そこにボールを送り込めば、フリーで受けやすいし、仙台がプレッシャーをかければ、元居た場所が空く。そんな感じだ。

 しかも大分は、三竿、坂の両CBがボールを持つと対角や直線のハイボールをフロントラインに送り込む縦志向をとった。特に三竿からの対角フィードキックは、前半によく見られた形だったと思う。「4-4-2を攻めるなら大外から!」の格言通り、大分は仙台の両ワイドのスペースから攻撃してきたわけだ。あとは、攻め方である。この試合の大分は、中盤やバックラインでのボール回し、あるいはGKを含んだビルドアップで仙台の前線からのプレッシングを誘発するようなことはせず、フリーでボールを持てばハイボールを蹴った。ワイドにプラスして、吉野、平岡の両CB横である、フルバックとの間のスペースにシャドーのランニング、センターFW長沢のポストを当てて、仙台陣内での攻撃を完遂しようとしていた。

 仙台としても、WBから高精度のクロスが上がるので対処しなければいけない。誰が見るんだとなると、フルバックが対応していたが、さすがに試合序盤に封印。関口、氣田の追撃プレッシングでワイドに張るWBにプレッシャーをかける。ファイナルライン4人はペナ幅を守って、相手3人の前線を警戒する。ただそうなると、前述の通り、左右CBから対角キックが飛んでくる。さすがに関口も、CBをマーキングしながら自陣深くまでWBを警戒するのは無理難題といえる。体がバラバラになってしまう。そんなこんんなで、左CB三竿からの右WB松本へのキックは、逆サイドのフルバックタカチョーが鬼スライドで見る。当然シャドーが使えるエリアが広がる。そんな感じだった。

 

おとなしくなる大分。リスクをかけた仙台

 そんなこんなで、仙台としては、大分のハイボール攻撃に防戦一方だった前半。仙台が別段悪いというより、相手次第だったように思える。失点も、「なぜそこにいる照山」プレッシングで、自陣ゴール前をがら空きにしたエラー。まあ逆にいえば、先制点を取っていなければ、もう少し悲壮感が漂っていたかもしれない。でも、何度も言うが、仙台がというより、やはり大分が攻めきれなかった、攻め急いだ、攻め焦っていたような気がする。気がするだけ。

 そんな序中盤模様が、後半になると仙台はボール保持の時間が増える。大分も、無理くりに縦志向のハイボール攻撃をやめ、高い位置をとっていたWBがやや低めに構えて、バックラインとセントラルMFのボール回しが増える。中盤でボールを移動させてひきつけて、逆サイドに張るWBにボールを送るやつだ。さすがに90分通して、前線の肉弾戦は、大分の望むところではなかったのかもしれない。仙台は、そんな大分相手に前線から奪う機会も増えるし、逆に大分がボールを持たせてくれた。カウンター攻撃したかったのかもしれん。マンマーキングDFで仙台を捕まえようとする大分。仙台も爆弾ゲームポゼッションだから、ボールをあちこちに回すからせわしないのはいつも通り。それでもなぜか外せるのは不思議なんだ。

 松下、上原ならよく見た、特に春先に見たセントラルMFの外流れ。相手ウィングやフルバックの背後にオフボールランで飛び出していくプレーは、ボール非保持時にはオリジナルの中央のポジションに戻らないといけないネガティブがある。この試合のセントラルMFは富田とフォギーニョ。なおさらやらないメンバー構成だ。ただ、フォギーニョが左サイドでタカチョーを追い越してクロス未遂を起こしたように、その片鱗を見せるようになる。

 大分のマンマーキングDFは、マンマーキングといいながら、ポジションが変わると「俺、そいつ見てたけど、ここを守らないといけないから誰か見てくんね?」とばかりの指差しで、マンマーキング対象が変わる。これって結構難しいことをしている気がする。気がするだけ。たとえば、19年の富田vsチャナティップのように、誰が何と言おうと地獄の果てまでついていくか、中央とサイドでエリア分けしたなかでマンマーキングするくらいしかない。横のポジションチェンジに対していは、たしかに、「なんとなくどこかで受け渡さないと」いけない。高い練度が必要だし、マルセロ・ビエルサのチームはそれをやっているらしいのだけれど、往々にして「自分の仕事をやっていれば良い」になりがちだったりする。

 そんなのを察してか、フォギーニョはタカチョーが対面するDFを混乱させるかのように外流れのオーバーラップを見せる。彼のマーク番はクロス対応のために中央に残っている。残った側は受け渡したいのだろうけれど、タカチョーが目の前まで迫っている状況で難しそうだなと感じる。まあ、これが、勝ち越し点の伏線になっていたのだけれど。押し込んだ状態でCB吉野の楔に、真瀬のフリックはたしかにエクセレントだった。ただそれを追い越して受けたのは、フェニックス富田で、大分の監視の目を盗んだ形でクロスを上げている。大分のDFの痛点、隙間をよく縫った形で、仙台としてはリスクを冒したうえでの良い結果だったと言える。それを本来は、ボール非保持で期待されている富田、フォギーニョがやるのだから、春先にトライしていたプレー原則は少し息づいているのかもしれない。

 

考察

 福岡戦も含めて縦志向のハイボール攻撃は、仙台のファイナルラインを攻撃する有効手段として見られているのかもしれない。特に、タカチョーのところは昨季から狙われているわけで、彼が攻撃的に縦迎撃するのを誘発するか、平岡との間にボールを送ってサイドまでカバーさせるかがわりと有効策なのかもしれない。相手目線で。今季、CBはサイドや高い位置までの出張が許されているので、その背後狙いというのはありそう。陣形のかみ合わせ、ロングキックで防戦一方だったけれど、そこの貯金を前半と後半序盤で使いたかったか大分。逆に言えば、仙台としては、前半の攻勢で大きくダメージを残したわけでもなく(何度も言うけれど失点シーンはなぜそこにいる照山)、後半に体力を残して望めたのは大きかった気がする。

 

おわりに

 いろいろと物語りたくなる一戦だった。仙台にゆかりのある片野坂に、富田、関口の物語。新時代の到来。そして、シックスポインターズゲット。今季に至っては、勝ち点をいかに積み上げるか、の一点が特に重要視されるのだけれど、まあこういう物語も悪くないって具合で。正直残された時間は少ない。無いといってもいいくらいに。なんとしても上位に残るための闘いをこれから続けていってほしい。ガッツポーズで空を舞った彼に、その願いを託そうと思う。

 

「リスクを避けていては、その対戦に勝ったとしてもいい将棋は残すことはできない。次のステップにもならない。それこそ、私にとっては大いなるリスクである。いい結果は生まれない。私は、積極的にリスクを負うことは未来のリスクを最小限にすると、いつも自分に言い聞かせている」こう言ったのは、羽生善治だ。

 

【鬼さんこちら、手の鳴る方へ】Jリーグ 第20節 川崎フロンターレ vs ベガルタ仙台 (2-2)

はじめに

 さあ、いきましょうか。アウェイ川崎フロンターレ戦のゲーム分析。関東連戦二日目。次の鬼門は、等々力だ。リーグ独走状態を続ける川崎。過密日程でメンバーを入れ替えたとしても、スタメンと相違ない力を発揮する。そんな相手に、ベガルタ仙台も総がかりで挑む。5月。ユアスタで逆襲の狼煙を上げた。少しずつ回帰する姿。この連戦には何かがある。今日も、ゲーゲンプレスで振り返ります。では、レッツゴー。

 

目次

オリジナルフォーメーション

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ゲームレポート

どれだけの時間、相手の嫌なことを続けられるか

  川崎フロンターレは、現在首位を独走している。この試合で引き分け、無敗記録継続を達成。仙台としては、大宮アルディージャ以来の無敗記録保持の相手ということになる。川崎は、その高いボール操作技術、風間八宏以来の止める・蹴るの精緻化によって、ボール保持局面で圧倒的な力を発揮してきたチームだ。ただ、今の鬼木フロンターレになってからは、いわゆるボール保持での圧倒というより、もっと別の局面での支配を望んでいる。それが、カウンタープレスからの即時奪回である。

 相手陣内で攻撃中に5秒から6秒以内にボールを奪い返すこのプレッシングは、ボールを奪った相手に呼吸をつかせる暇を与えない。川崎も例に漏れず、相手ファイナルサードでボールをそのボールを外に出させない。即時奪回からの超ショートカウンター川崎フロンターレの強みだ。ある意味ファイナルサード特化型。ボール保持攻撃で相手を陣内に押し込んでというよりは、さっさとファイナルサードへボールを運んで奪われたらカウンタープレス開始、即時奪回から攻撃継続、といった具合だ。

 前節の浦和とも対照的で、浦和はビルドアップ型を変えたり、担当する人を変えることで相手に最もダメージを与えられ自分たちが有利になる形を90分かけて追い求める。一方川崎は、CB谷口、車屋にアンカー田中碧の三角形が基本だ。非常にシンプルである。それでボールを持てるのだから、CBの能力が高いというべきか。そこからルートはサイドを経由する。川崎の主役は、フルバックだ。ここから攻撃が始まる。

 ワイドにアンカー高さで構えるフルバックから、同レーンのWG、あるいはハーフレーンへレーンチェンジしたWG、インサイドMFへボールが入っていく。入っていくなかで、仙台センターバックフルバック間を抜けていく。ワイドからインサイドレーン(中央3レーン)へボールが入っていく、ホルダーも進行していくのが川崎の攻撃ルートになる。もちろん、左WG三笘は縦にも抜けられるタイプではあるが、ボックス角まで進行してから縦に抜いていくプレーになる。山根、登里のフルバックもハーフスペースを攻撃するので、初めから縦にドーン!よりは、ワイドから斜めに入ってそこから縦なのか横なのか何なのかといった感じだ。

 長々と川崎のターンで書いてしまったが、ボール保持率的にはこんな具合だろう。いや違うか。さて、そんな川崎に抗うのは、我らがベガルタ仙台。川崎のカウンタープレスからの即時奪回、フルバックを起点としたワイドから斜めにインサイドレーン(中央3レーン)へ入っていく攻撃ルートをチェック、対策を主眼とした。カウンタープレス対策に関しては、同点ゴールのシーンはゴールキックだったけれど、長いボールをセンターFW皆川に当てるなどできる限り相手陣にボールを運ぶようにしていた気がする。気がするだけ。

 仙台陣内、ファイナルサード特化タイプの川崎相手に、川崎陣内での攻撃を増やしたいというのは、かなり理に叶っているが言うは易しのミッションインポッシブルである。センターFW皆川が相手アンカーだったり、CBとのバトルに勝てていたが仙台に、ベガルタに、一筋の希望の光を示したのである。

 川崎のワイドから斜めに入る攻撃には、仙台は「縦を許容し横と中央のカバーを優先した」DFで対抗。エデン・アザールと化している三笘には、真瀬が正対しこの日右WGに入った中原が横切りの特別対応をしたけれど、逆サイドでもフルバック、ウィングにボールが入れば、そこから横方向、斜め方向への攻撃を封じるように、仙台のフルバックとウィングが立つ。基本は、ウィングが横切りしながら、フルバック、CB、セントラルMFがワイドからゴールを結ぶライン上をカバーする。CB横を抜けていくオフボールランには、CBのQちゃんとテルがついていくし、代わったシマオでも同様。あくまでボールを受けた先で横方向をカバーする。

 だからこそ、最初の失点シーンでテグがブチギレたというのは、狙い通り縦への誘導を図ったうえでの失点だったのでそこは防いでくれよと言ったところなんだと思う。氣田のドリブルから中原のゴール、マルティノスの起死回生同点ゴールはいずれもスーペルであった。ディフェンスは基本に忠実。オフェンスはスーパーに。展開は劇的に華撃的に。なんともテグらしいチームになっている。

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考察

 この試合でのDFを成立させたのは、ウィングに入った中原と4-4-1-1の1.5列目を担当した匠ではないだろうか。ワイド深くまで三笘の選択肢を限定し続けた中原に、特にアンカー経由の攻撃をする川崎ではないけれど、それでもオンボール・オフボールで絶大な力を発揮するアンカー田中碧を警戒しサイドを限定し続けた匠は、陰ながら称賛されるべきだろうと思う。中原はご褒美があったけれど。仙台も川崎もターンオーバー的であったし、憎むべき日程だったし、この結果でザッツオーライになるとは言えないだろう。毎回、マルティノスが芝生のうえで猫ローリングしているのを微笑ましい目で見ながらスーペルゴールを待つほど、まだ僕の心が整っていない。というより、このゴールと試合展開は30何試合やって何試合かあるか無いか、なんなら100試合やって数試合あるのかどうかだと思う。だから美味しそうなところをずっと待っているのではなく、人事を尽くして天命を待つように、やるべきことをやっていければ良いのだと思う。

 

おわりに

 劇的。まるで勝ったような気分だけれど、勝ち点は1だ。首位の覇道を突き進むチームからとった貴重な勝ち点だ。エンタメ的でもある。サッカーで勝つとかそういうの以外で笑うのはなかなかなかった気がする。それが日常であれば微笑ましくなり、今はそれがなんとも、とても貴重なことのようにも見える。まあ、そんなところだ。

 

「自分を信頼しはじめたその瞬間に、どう生きたらいいのかがわかる」こう言ったのは、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテだ。

 

【血の混ざった泥を舐めてでも】Jリーグ 第13節 浦和レッズ vs ベガルタ仙台 (2-0)

はじめに

 さあ、いきましょうか。アウェイ浦和レッズ戦のゲーム分析。勝利の束の間、ベガルタは関東連戦へと赴く。2つの鬼門。浦和美園と等々力。そしてまた、彼らを引き裂くような連戦。ベガルタ仙台の戦いは、まだ始まったばかり。今日も、ゲーゲンプレスで振り返ります。では、レッツゴー。

 

目次

オリジナルフォーメーション

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ゲームレポート

どこまでついていけるかディフェンス

  ベガルタ仙台は、フォワード赤﨑が前節の負傷の影響でリザーブスタート。代わりに、杜の都の魂たる存在、関口訓充が西村拓真と2FWを組む。また、右フルバックにはキャプテン蜂須賀。4-4-2でセットアップした。

 4-4-2のフォーメーションから、バックラインにMFがドロップするなど、ビルドアップの形を変える浦和。特に前半飲水前までは、仙台が前線からのプレッシングを敢行し攻勢にでたことで、落ち着くまでに時間がかかった印象だ。仙台は、ホルダーに対してFWが、もう一人がアンカーロールのMFを監視することでサイドを限定。限定したサイドで、ウィング、セントラルMFフルバックで奪いきってしまおうという狙いだ。西村拓真の絶好機など、シュートチャンスを作るが決められないベガルタ仙台。無情にも、飲水タイムという名の修正タイムを迎えてしまう。

 浦和は、CMF伊藤のドロップに呼応して、左WG小泉がMF化。MF阿部勇樹の横で受けることで、バックラインからボールを引き出そうとする。ただ、仙台は阿部勇樹を警戒しながらバックラインにプレッシングをかけるため、飲水後は、阿部勇樹がひとりで仙台のFW-FWライン上に立ってマークを引き受けているシーンを見かけた。これで、バックラインへのプレッシャーを軽減しようとする狙いだ。

 かつてのリカルド徳島での名アンカー岩尾現象である。「我々は岩尾を観測していないが、たしかに岩尾はそこに存在する」のである。しかしこれも、ターゲットになるMFが1人という点においては同様で、仙台がマンツー寄りゾーナル、いやマンツーマンDFである以上、「1人はMF、1人はCB」へのプレッシャーが成立する。ただし仙台としては、序盤の優勢をどんどんと削がれるような策を相手が打ってくるのに対して、ファーストセットのやり方をやり切るしかない。時間の問題のようにも思えた。

 そして勝負の後半戦。浦和は、右フルバック西大伍をバックラインに組み込んだバック3に、CMF阿部勇樹、伊藤の2CMFでよりオリジナルポジションに近い形のM字型ビルドアップを組んだ。仙台としては、ターゲットとなるMFが2人のうえに、制限するべきバックスが3人いる。そもそも、3CB+2MFのM字型に同数プレッシングをかけるのは実現不可能に近いレベルで難しい。しかもややこしいことに、西は仙台FW-WGライン上を意識した立ち位置を取る。対面したWG氣田も、ボール非保持でのポジションだったり切り方がJ1仕様になってきたといはいえ、このハイレベルな応用問題を解かされるのは難儀だったと思う。なにせ後方では、ポジションを入れ替えて右WGに入った武藤雄樹がハーフスペースに顔を出し、仙台のWGとCMFの間を狙っているのである。

 この日の仙台は、非常に人への意識が強くFWがコースを限定してからは、マンツー寄りに相手を封じ込めようとした。特にハーフスペースに入る選手に対しては、CB平岡、吉野が出張してでもマーキングを続けた。サイドへも出張する平岡の姿を何度も見かけたと思う。逆に浦和は、FWユンカーが中央にいるので、彼の周りにスペースができる。そのスペースを後方の選手が飛び込んでいくのがこの日の浦和の攻撃型だった。そんな文脈のなかで、武藤と小泉のポジションチェンジは、阿部勇樹西大伍のポジショニングと同じぐらい決定的だった。仙台の松下、平岡が武藤への警戒を強めてマーキングすれば、そこを外して仙台のマーキング後方にできたスペースを使っていくのである。

 サイドでの人数不利、ポジションチェンジにはついていかずエリア迎撃、ただしマンツーマーキングで対処しようとした仙台。アンカーや、中途半端な位置に立つフルバックへの構造的な対処をこの日だけでやれといっても土台無理な話で、前節柏戦である程度の手ごたえを得たマンツーに近いゾーナル、いや、これはマンツーマーキングだ。このマンツーマーキングで対応したのだけれど、相手に接近してボールを取り上げようと素早く動けば、相手だって素早く対処する。

 そうなると局面局面が高速化する。高速化すると、ボールと人と頭の速さ勝負になる。そんなことを思い返させるような、赤い7番のゴールだった。

 

 

考察

 非常に富田がほしくなる戦い方であった。それより、この最終決戦のような人狩りディフェンスを序盤から採用しないといけないあたりが、今のベガルタ仙台の難しさを表しているのかもしれない。だったら西への対応をどうすればよかったのか?という問いは、そんなもの知らん死なばもろともだ!で氣田がプレッシング攻撃するか、いいよ持たせてあげるよとハーフレーンを埋めるかくらいだったか。どちらかといえば、後者っぽかったが、西が氣田のプレッシングを切るパスを中央からワイドに開く小泉に出していたので、言うより難しかったのだと思う。きちんとアンカーとフルバックがいれば、ビルドアップはできるんだぜと言わんばかりに。耳が痛い。とはいえ、仙台の最序盤の決定機を決め切っていれば、そう事は難しい方向に転がっていなかったかもしれん。特に浦和のネガティブトランジションに、浦和美園の民は満足しているのだろうか。そんな出来だった。25分間、シンデレラの鐘が鳴るまでが、やはり勝負である。ここで後手を踏み続けた春先、決めきれない今、じゃあ次は?そのための今日にしたい。

 

おわりに

 鬼門なんて、この前の柏戦で払拭したじゃないか。恥ずかしいけれど、仙台、ユアテックスタジアム以上の鬼門を僕は知らない。今は。浦和の赤い壁は、どことなく寂しさを感じたし、きっと次節の等々力でも今のこのクソったれな状況を恨めしく思うのだろうと思う。この前、ユアスタが復活したけれど、アウェイが輝くからホームも輝くのだとなんとなく思う。そんな関東連戦だけれど、相手は絶対王者。強い相手と当たると、嘘も、誤魔化しも、ズルも、すべて見透かされ晒され破壊される。いいじゃないか。やるべきことを正面からぶつけるしかない。追い上げる立場なんだから、全開でアタックをかけるべきだ。でなければ、等身大の自分たちなんていつまで経っても分からない。自分が何者かを知るために、戦いにいくんだ。

 

「どんな楽器でも演奏するのは簡単である。正しい音を正しい時に触れば楽器が勝手に演奏してくれる。」こう言ったのは、ヨハン・ゼバスティアン・バッハだ。

 

【518日のカントリー・ロード】Jリーグ 第12節 ベガルタ仙台 vs 柏レイソル (1-0)

はじめに

 さあ、いきましょうか。ホーム柏レイソル戦のゲーム分析。何度も何度も何度も待ち望んだ日が、僕たちの目の前にやってきた。すべてを飲み込む時代と降格。後戻りもやり直しも、時計の針も戻せない。逆境的で、逆襲的なユアテックスタジアム仙台がそこにはあった。エンブレムを叩く主将、ボールを叩く15番、そして、手拍子を叩くサポーター。叩き続けた扉が、今、開かれる。今日も、ゲーゲンプレスで振り返ります。では、レッツゴー。

 

目次

オリジナルフォーメーション

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ゲームレポート

マンツー寄り4-4-2に神様仏様関口様

  仙台は、この日ももちろん4-4-2でセットアップ。左ウィングには、怪我から大黒柱の関口が復帰。開始序盤から、サイドでのプレッシングに、赤﨑の怪我交代でフォワードに入ると、柏セントラルMFの椎橋、仲間を警戒役に回る。この日の仙台は、4-4-2でありながら、マンツーマンDFに近い型を採用。完全なゾーナルディフェンスが無いように、完全なマンツーマンも無い。よりマンツーマンに近いマンツーマン。何を言っているか分からないと思うが、そういうことだ。特に、セントラルMF松下、上原のコンビは、柏が攻撃陣形として採用してきた3-4-2-1のシャドーストライカーを捕まえるタスクを徹底。シャドー江坂、神谷は、WBがボールを持つと平行サポートの動きを見せるが、そこにマンツーマーキングで警戒を怠らない。

 こうなると、3-4-2-1の特性上、どこかで縦に抜ける動きをしてダブルパンチ現象を起こさないとDFが崩れない。ということで、その役をセントラルMFの椎橋、仲間が実行。江坂と神谷が空けたポジションへオフボールラン。仙台は、真瀬、タカチョーの両フルバックがWBをマーキングターゲットとしているため、その背後へのランニングはよく効く。だけれど、そのカバーリング、フォローアップをなんとFWに入る関口が実行。それはそうだ。マンツー寄りマンツーマンなのだから。何を言っているか分からないと思うが……とにかく、関口はそれをやり遂げる選手だ。だから、交代で入った氣田をそのままFWではなく、関口にしたのはこうやって自分の仕事を徹底できるからな気がする。気がするだけ。

 カバーには、センターバックの平岡、吉野も参戦。セントラルMFのランニングは、物理的に距離が長いし、カウンターを受けると自分のポジションに穴を空けるリスクの高い行為。そのプレーもだんだんと影をひそめるようになる。先に書いた、松下、上原が柏シャドーと徹底抗戦していることもあり、柏は少し作戦を変える。

 

シャドーをサイドへ。中央での実効支配を強める仙台

 柏は、飲水後あたりから、シャドーの江坂、神谷が仙台両フルバックの背後を狙うようなカットアウトランを繰り出し始める。仙台のファーストプレッシャーラインは高く、普段の中盤からの押し上げより、前線からのプレッシングで柏バックラインに圧力を強めつつあった。ウィング加藤千尋、氣田亮真が急先鋒となり、2FWとの連携で柏3バックに対して3フォワードの同数プレッシングで噛みあわせる。そうなると、ワイドに展開しているWBへの対応は、真瀬、タカチョーのタスクになる。この2人の出足は速く鋭かった。迷いなく縦迎撃を実行する。そんな仙台の前傾姿勢を利用したいのがネルシーニョ柏。仙台がプレッシングで空ける背後のスペースを前述の江坂、神谷が使う。

 やはり負けられない闘いを極める松下、上原の両セントラルMF。まさに闘将だ。さも当たり前のようにフルバックの背後までカバーリングする。柏としては、江坂、神谷のいわば飛び道具であり、ゴール前で特異な才能を発揮するテクニカルな選手を『門を開けるひと』に任命して、仙台のDFを攻略しにかかった。それはそれでリスクのある行動で、本来ならインサイドレーン、中央3レーンを中心としたピッチ中央で力を発揮してほしいタイプの選手だ。それがどんどんとサイドへ行ってしまうのは、仙台としては中央での脅威を削ぐことを意味した。

 ただし、3-4-2-1を経験したチームとして、その気持ちが凄く分かるのである。もともと相手の間に立てるよう設計されている3-4-2-1。じゃあそのまま立ってれば良いのかというと実際には違くて、この日の柏のように、セントラルMFシャドーストライカーがサイドに流れたり、相手の背後にランニングするなど「静」より「動」を求めらる。柏のマンツーマンDFなのは、そんな攻撃プロセスから、いったん「静」となる守備陣形を整えるのには、非常に大量な時間と労力が必要になる。高速化するジャパンフットボールにおいても、世界においてもそれは難しい行いな気がする。気がするだけ。

 まあ、そんなこんなで、蜂須賀の投入と真瀬のWG化。フォギ―ニョ投入に上原のアタッキングMFへの列上げで、より強靭さを増す仙台。25番がボックス内で潰れる。右サイドから閃光が光る。タフな戦いを先行するゴール。次の瞬間には、西村拓真が芝生のうえを滑っていた。

 

考察

 518日ぶりの勝利を掴んだベガルタ仙台。人人の意識が強い柏相手に、負けてられないとばかりに人人で挑んだこの日の仙台。FW+WGの3フォワードプレッシングで、ボールをサイドへ誘導して自分たちの土俵であるサイドと中盤での攻防に持ち込んだのが勝利を引き込んだか。もちろん、そこで勝てる勝てないがあるわけで、勝つためにやるべきことを実行した選手たちを褒める、と言った試合かもしれない。柏がGKやWBを使ったビルドアップ、シャドーのWG化などで仙台に手を渡すようなプレーが出てきたら、少し膠着状態になりそうな気もした。今のJリーグは、そのあたりが標準装備のチームばかりなので、今後の戦いが気になる。ただし仙台としては、戦略的な狙い、戦術的な実行が伴った、そしてそれが勝利に繋がった試合として、積み上げるべき大事な試合内容と結果になったと思う。

 

おわりに

 ベガルタ仙台が、ユアスタに帰ってきた。ユアスタが、仙台に帰ってきた。どこか何かが足りない、欠けている日常に、何かが戻ってきた。まああまり多くを語っても野暮である。おかえりなさい。すべてのひとへ勇気を与える一撃を加えたのはまた、背番号15番だった。でもこの日のユアスタは、とても晴れていた。

 

「曇りなき心の月を先だてて浮世の闇を照してぞ行く」こう残したのは、独眼竜、伊達政宗だ。

 

【雷鳴】Jリーグ 第10節 横浜FC vs ベガルタ仙台 (2-2)

はじめに

 さあ、いきましょうか。アウェイ横浜FC戦のゲーム分析。横浜連戦。決戦の三ツ沢。ともに勝利が無い者同士、すべてを投げうってでも掴み取りたいものがある。雨のピッチに流れるのは、涙か、汗か、血か。水が滴る。試合開始の笛が吹かれる。今日も、ゲーゲンプレスで振り返ります。では、レッツゴー。

 

目次

オリジナルフォーメーション

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ゲームレポート

似た者同士。狙い撃ちされる左フルバック

  仙台、横浜FCともに4-4-2を採用したこのゲーム。オリジナルのポジションからは大きく離れず、非常に固い入りをしている両者。今季、リーグ戦で勝ちの無い者同士、持たざる者の戦いで入ったと言える。序盤からボールを持ってゲームを進めたのはホームチーム。2CB+2CMFのボックス型ビルドアップに、両フルバックがワイドにポジションを取る。パスルートは、バックラインからフルバックにボールが入るサイド迂回ルートを選択。フルバックがボールを持つと、前線4人のアタッカーがオフボールランで、仙台ファイナルラインの背後を突くようなランニングを見せる。横浜FCのボール保持攻撃は、バックラインがボールを持っても大きな動きでポジションを崩すようなことはせず、リスクの少ないサイドからのボールで一気呵成にかかる形だった。

 一方の仙台。おなじみの必殺十八番4-4-2ゾーナルブロッキングで、裏街道をひた走る相手を封殺しにかかる。FWが相手CMFを基準にミドルからローブロックを組むのはいつもの形。特に右サイドは鉄壁の陣形で、右ウィング加藤千尋の縦切り、FW赤﨑の横切り、CMF上原、CB吉野、フルバック真瀬による中央カバーの多段守備陣形は何重にも防御陣形を張り巡らした要塞と化す。仙台は、中央から右サイドが特に固いので、横浜FCとしても無理攻めからのカウンターを警戒して突っ込んでいけなくなる。2人のCMFが仙台DFを避けるかのように、FW西村、赤﨑の横にポジション移動。ボックス型から歪な台形型ビルドアップになり、バックラインに余計なプラス2を作った。結果として困るのは前線の枚数が不足する決定力不足の正体的なやつだ。

 しかし、仙台も完璧ではなかったのが、左サイドだ。ボールを持っても、横浜FCの右サイド部隊に手を焼くことになる。横浜FCは、4-4-2のDFだけれど、ボールがサイドに入ると人意識強く、マンツー気味でDFを実行。右WG小川のスプリント能力をフルで発揮する形で、仙台左フルバックのタカチョーに圧をかける。左WGの氣田がレーン被りだったり、オフボールで相手を引っ張り出すランを繰り出せないことで、「人につくんだからサイドまで連れてってしまおうぜラン」という定石が無く、左サイドでのロストが非常に多くなった。ヘルプに来る松下にも相手がついてくるのでなおさら大渋滞といった悪循環に。幸い、バンダナをつけて髪が風で凄いことになっているFW、誰だっけか、足の速い、えっと、そうジャーメインなんとか、ジャーメイン良か。彼のセカンドプレスがプアで、平岡や松下にも少し時間ができたけれど、渡邉とポジションを変えられると、もう窒息状態だった。

 

耐えながら掴んだ伏線と両翼のダブル投入

 ちなみに左サイドは、ボールを持っていない時も難しい状態に晒され続けた。横浜FCは、右サイドでボールを持ってボールを回すと、逆サイドに展開。氣田のプレスバックを間に合わせず、タカチョーのところで1on1を仕掛ける。これは仙台とも似た形で、同サイドアタックを途中で止め、逆サイドに開けるオープンスペースで相手フルバックと1on1を作ろうとする。人が集まって詰まったところを打開する術がないからなのか、狙ってやっているのかは分からない。ただ、松下から真瀬へのロングキックの展開に、菅井直樹角田誠からのキックを思い出したりする自分がいるんだ。

 そんなこんなで、仙台としては攻撃面ではやはり難しい展開になっていた。ひとつの光明が、CMF松下のドロップによるCBと3on-lineを作ったところ。人意識の強い横浜FCとしては、FW対CBだったり、WG対フルバックの二項対立の方が単純だし、分かりやすい構図になる。そこで小さなズレを作ったのが松下のドロップだった。横浜FC右ウィング小川のスプリント能力を逆手にとって、CB-フルバック間にドロップした松下が、彼のプレッシャーを受け取る。こうなると、タカチョーがプレッシャーから解放され、氣田、FW赤﨑にも背後を突くスペースができる。小さなズレが大きなズレを作ることになる。

 後半開始から、CMF松下が左CB平岡の横にドロップし始める。おそらくハーフタイムでの立ち位置修正が入ったのだと思う。右はCB吉野、左はCMF松下が担当。ターゲットは、相手4-4-2の両翼、WGだ。翼をもがれた鳥は、羽ばたくことはできない。残念ながら我々が良く知るところだ。横浜FCがフリーズする。なぜなら自分の担当が聞いている場所にいない。次の指示を待つ状態に。この間に仙台は、真瀬、蜂須賀の両フルバックがワイドに高い位置を取る。そして、オッティ、マルティノスの両ウィングのダブル投入が決まる。

 この両翼が、相手ファイナルラインの背後に抜けるオフボールラン、ハーフレーンへのレーンチェンジを繰り出す。ワイドに張るフルバックとの連携で、相手ウィングに戦術的負荷を与える。『ダブルパンチ』だ。しかも吉野や松下がボールを持ってドライブしようものなら、その許容量はリミットブレイクする。このあたりから仙台がボールを握る時間とスペースができる。横浜FCとしては、ワイドはワイドが担当、中央は中央が担当とすることで人意識を再整理して対応。ただし、前線からのプレッシング、中盤からの押し上げが難しく、仙台が相手陣でのプレー時間が増えた要因のひとつとなった気がする。気がするだけ。いや、そうだと思う。だから、2失点目が余計だと言いたいんだ。

 

それでも雨中を闘い続けた者たちへ

 押し込む時間が増えていくなかで、セットプレーで同点まで食らいつく仙台。扉をこじ開けた西村拓真に、土壇場で同点にまで追いついたのは執念ともいえる。ボールをゴールを奪い取るんだと、最後まで戦い続けた。もっと理屈を詰められる気がする。気がするだけ。ただまあ、こういう氣、超えろ、の部分が消えかけていたなけなしの野心に少しばかりの燃料をくべたりするから、サッカーってのは分からないんだ。

 

考察

 お互い勝っていないなかで、同じ4-4-2にで難しいゲームだったと思う。特に攻撃面は、もともともっと攻撃的にふるまいたい理想のなかで無残にも散って、残ったのは切なさだけというのもまた、似ていた気がする。ただし、4-4-2のゾーナル守備において一日の長があったのは仙台だったか。横浜FCは相手陣内で前線からのプレッシングが成立する展開なら一発ドカンがありそう。春先の仙台だったら餌食だったかもしれないけれど、これも巡り合わせ。逆に仙台は、ポイントを競り合うカウンター型のチームの精神をすり減らせそう。でも逆に持たせられて精神がすり減るかもしれない。そんな組み合わせ、噛み合わせが歪な両者が拠り所にしたのはセットプレーでしたとさ。あと手拍子による後押し。あれが雨で消えかけた灯を青く静かに燃え盛らせた。

 

おわりに

 そこにあったのは、ミニ・ユアスタだった。突破力のある選手でイケイケ。CKでレッツゴー。これだよ。仙台を、ユアスタを、ベガルタ仙台を長年支え続けているゲームメイカーは。ボールを持つと縦に速く、早く攻めるのが今のベガルタ仙台。良いか悪いかは分からない。分からないけれど、これが血なのかもしれない。

 

「薬になれなきゃ毒になれ。でなきゃあんたはただの水だ」こう言ったのは、神原遠江だ。

 

【フェアリーテイルの端っこで】Jリーグ 第9節 ベガルタ仙台 vs 横浜・F・マリノス (0-0)

はじめに

 さあ、いきましょうか。ホームマリノス戦のゲーム分析。少しずつ、また少しずつ立ち返る場所へと還り始めるベガルタ仙台。無い止まないレッツゴーの手拍子をその背中に受けながら、トリコロールの革命軍を討伐するべく、ピッチを駆け抜ける。今日も、ゲーゲンプレスで振り返ります。では、レッツゴー。

 

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オリジナルフォーメーション

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ゲームレポート

扇原、天野が繰り出す左サイドからのクロス

  仙台は、この日も4-4-2を採用。ボール非保持時には、フォワードが相手セントラルMFを基準に、サイドにボールが出たら横切りプレッシングで限定し、ウィングの縦切り、CMFの中央カバーで強固なブロッキングを生みだす。特に、仙台の右サイドは、WG加藤千尋、CMF上原力也、フルバックに真瀬、センターバックは吉野と、リトリート時に堅陣を敷く。ミドルからローブロックでマリノスを引き込み、相手フルバックが高い位置を取った背後をロングレンジのカウンターで仕留める一撃必殺4-4-2フォーメーションだ。

 一方のマリノス。フレキシブルにポジションが入れ替わり、素早いオフボールランで相手を振り切るアタッキングサッカーで日本サッカーのトップディビジョンを席巻していたが、今季はよりリスク管理と攻守バランスを重視したポジショニングでここまで戦っている。基本フォーメーションである4-2-3-1の骨格から、2CB+フルバック、あるいはCMFのバック3ビルドアップを基調にWGがワイドに高い位置をキープしたり、ハーフレーンに移動するなどのポジションチェンジを見せる。アタッキングMFに入った天野純もワイド、ハーフレーンに移動するため、ボール進行ルートは自ずとサイドからの攻撃になったのがマリノスだった。

 そのなかで、仙台右WG加藤千尋の背後を使う選手がいた。扇原と天野だ。彼らは、ハーフレーンだと監視する仙台CMFにつかまることを警戒してか、よりサイドに、ワイドレーンにまで移動。バック3で広がったビルドアップ隊からボールを受け取ると、ゴール前の快速アタッカー前田大然めがけて高速クロスを供給。仙台としては、セントラルMFが横切りもしているし、フルバック真瀬も縦をカバーしているので攻撃ルートとしてはより選択肢が少ない「縦に細く」状態で守れているのだけれど、マリノスもそれを分かってか、間髪入れずにゴール前にクロスボールを入れていった。

 ベガルタがボールサイドに寄れば、逆サイドのブロック外が空いてくるし、GKとCBとの間にボールが入れば、あの前田である。一発で仕留める能力はある。ただこの日のCBコンビは吉野に平岡。特にカバー能力の高い平岡相手に、どこまで有効打になったのかはあまり分からなかった。

 

攻撃方法に変化を加えるマリノスに、耐えの5-4-1

 仙台としては、中央3レーンであるインサイドレーンを4-4-2ブロッキングで押し出し、相手攻撃ルートをサイドに迂回させたのは成功だったと言える。もちろん、マリノスがリスクを嫌ってサイド進行策を取ったのも相乗だと思うのだけれど、それでもインサイドレーンを一気通貫させなかったのは大きいと言える。そこでマリノス。攻撃の品数の多さに定評がある。往年の技であるチャンネルアタックを繰り出す。フルバックセンターバックとの間であるチャンネル。ここをAMF天野、CMF扇原、WGエウベルがオフボールランで攻撃する。マリノスは、基本陣形である4-2-3-1から、「FW横でボールホルダーになる」、「ワイドに開く」、「ハーフレーンでWG背後を使う」、「チャンネルアタックを繰り出す」役割を課された4人が中心となってサイド攻撃を実行する。ワイドに開くのが天野の時があれば、高野や扇原の時もある。

 この「ポジションと役割のなかで自由闊達なサッカーを実行する」という、おおよそマリノスの洗濯機のようなグルグルとひととボールが旋回していくサッカーからは予想されないような、きちんとしたといったら失礼かもしれないのだけれど、ずいぶんと大人になった印象だ。

 また、そうしてマリノス左サイドを攻撃しながら、バック3で逆サイドにボールを持っていくと、今度はマリノス右サイドで高い位置を取る松原、仲川に長いボールが蹴りこまれる。特に、仙台のDFは、WG氣田、加藤千尋が相手フルバックをターゲットとしていたこともあって、フルバックがバック3に加わると、仙台WGは前線からプレッシングを仕掛ける。空けた背後を使われる形でロングキックが入る。

 こう書くと防戦一方な仙台。ただ実態としては、仙台右サイドを勝ち割られることはなかった。例のチャンネルアタックも吉野が横切りしながら真瀬の背後をカバー。時折松下が右CMFに入ることで、地の果てまで追いかけるDFで対応。仙台左サイドのDFも、WG氣田がドライブするCBに対応するかの迷いが見られたが、自分のターゲットはフルバック松原だと再調整。松原がワイドに高い位置を取るのなら、氣田はバックラインに入ることを厭わなかった。こうして仙台は、強固な4-4-2DFで右サイドを、耐久5-4-1で左サイドを守り切った。

 

西村拓真のレイオフと9.5番の赤﨑秀平

 仙台のDF型の特性上、ボール奪取地点は自陣深くが多くなる。フルバックの真瀬、タカチョーがボールを奪うと、最前線の2人である西村、赤﨑を探すべくルックアップする。特に西村への楔打ち込みを徹底。西村も極端に高い位置を取らず、やや下がり目で受けレイオフ。相手DFが食いつく隙を与えず、ボールを味方へと繋ぎながら、相手ファイナルラインの後方にスペースを創る動きを見せる。しかも、トランジションのクソ忙しい時にだ。相手からしたら厄介極まりない。

 西村、赤﨑のコンビは明確に縦関係を築く。西村が高い位置でボールを落とすのなら、受けるのは赤﨑。相手DFの間を見つけ出し、ボールを受けるとフォローアップに入るCMF松下、上原にボールを渡す。まさにバトンだ。今度は、サイドを駆け上がるフルバックやウィングへボールが供給される。松下、上原は中距離パスの名手だ。オーバーラップするタカチョーや真瀬にボールが渡り、カウンターの急先鋒になる。誰かが少しずつ創った時間とスペース。それをバトンのように手渡してく。ゴールめがけて。

 特に真瀬やタカチョーがボールカットして、西村にボールが入るのを狼煙に、両ウィングがスプリント開始。赤﨑が息継ぎ役として時間を作ると、今度はフルバックがスプリントする。ドンと1人ポストプレーができる選手がいるなら、それに越したことはないのだけれど、別にポストプレーは1人でしかできないだなんて、誰が言ったんだ?ウィングがポストプレーできるし、メッシや香川がライン間でボールレシーブするのだってポストプレーだ。FW2人による共同合作ポストプレーで、自陣深くに押し込まれていた鷲が檻から飛び立つ。

 

考察

 本来なら立ち返る場所として機能するはずだった4-4-2リトリートDF。ボール保持時のポジションの悪さ、ネガティブトランジションの悪さばかりが目立ち、ここまでたくさんの勝ち点を落としてきた。ようやく計算の立つ、自分たちの土俵が出来たと言える。ただし、そのボール保持だって、相手が仙台に持たせたとも言えるし、このDFの明確な欠点である「攻撃しながら守備できない」をどう克服するのかは、きっとすぐ立ちはだかる壁として現れるだろう。攻撃陣形で4-4-2リトリートDFを披露できない時、2021ベガルタ仙台の真価が問われるのだと思う。

 

おわりに

 何が正解なのか分からない世界で、自分がやっていることを正解にするしかなくて、そう信じて進んできた先に何があるのかは分からないのだけれど、立ち止まると、後で取り返すのは容易ではない。進み続けるしかない。誰が、なんと言おうと、止まるわけにはいかない。こうして、そうして、なんとか進んできた。であれば、止まることなく前進するしかない。前進した方角があっているのか?という常識的な批判については、じゃやその方角があっているのか合っていないのかは、目撃者たる僕たちも担うべきだし、声は大にできないけれど、まあ小ぐらいにはできるはずだ。そういうところまで、ようやく進んできた。そんなことを、26番の若造の背中を画面越しに見ながら、ぼんやりと思うのである。

 

「一番良いのは、やって後悔しないことだ」こう言ったのは、神原駿河だ。