蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

【金沢GO!GO!GO!】Jリーグ/第6節 vsツエーゲン金沢【ベガルタ仙台】

はじめに

さて、6節。

アウェイ群馬戦では、相手を押し込み、最後は勝ちこした仙台。

ホーム開幕戦以来のユアスタの勝利を目指して闘う。

ゲーゲンプレスで振り返っていきます。

では、レッツゴー。

 

メンバー

ベガルタ仙台【532】

ツエーゲン金沢【442】

スコア 2-3

 

www.vegalta.co.jp

 

25分間で勝負あり

最初から元も子もないが、準備の差が出た。

開始から25分間で3点を失い、決着がついてしまった。

金沢は、442から左WG加藤潤也が中央レーンに移動して4312のような攻撃ポジションを取る。

加えて、FW奥田晃也が落ちるので4321にも見えた。

CB→SBへボールが渡ると、そこから斜めに彼らに刺すパスを通す。

仙台のDFは、532からワイドの選手に対して、3人のMFがスライドして寄せていく。

なので、物理的に遠い。

時間とスペースがあるなかで、中央へ斜めに刺すパスを許す。

また、仙台DFは、前線から寄せて、牽制してタッチラインにボールを追いやってから、WBの縦迎撃だったり、抜けや中央へのボールに対してバック3が迎撃する。

ただ、高い位置からのプレッシング中に、しかもホルダーである相手SBに時間とスペースがあるなかで、ボールが中央に刺されると迎撃した際、背後にスペースをつくる。

金沢の左WG加藤、FW奥田は、仙台インサイドMF中島元彦、郷家友太の背後に待ち合わせて、ひとつ飛ばしやレイオフでCBの迎撃をかわして後方のスペースを攻撃した。

何度も中央CB菅田真啓がオープンエリアで1v1を仕掛けられ、背後を抜かれ、シュートシーンまで持ち込まれている。

右CB小出悠太がファイルで止めるほどのシーンを招き、結果的に先制点に繋がっている。

 

442で五分まで持ち込むが…

仙道彰が「まだあわわわわわわわわ」と言いだしそうな前半を過ごした仙台。

カレー対決なら自信があったのだけれど、さすが金沢といったところか。

寝起きにロースカツカレーを顔面から食らってしまった。

3点「取られてから」442に変更しておめざの仙台。

DFにおいては、ワイドの選手に対して郷家、衝撃氣田のWGがアプローチする。

まあ物理的に近くなったから当然といえば当然。

ボールの進め方についても、442からマンマーキング志向の金沢に対して、WGのレーン移動、FWの抜けを使う。

特に、交代で入った中山大観音は、左WG衝撃氣田がインサイドにレーン移動してSBを誘き出した背後へ抜けを狙っていて、彼の特徴であるCB横へのランが活きていた形に。

また、金沢の左WG加藤がトップ下位置にポジションを取ったのは、アンカー松下をマンマーキングするための攻守表裏一体ポジションでもあったのだけれど、明確に2人のMFになったことでこれを分散。

後方の保持力を上げつつ、DFライン背後への抜けで前進して、ファイナルまで押し込む展開に持ち込んでいった。

ただ、金沢の土台は、442のマンマーキングDFである。

抜けに対しても、レーン移動に対しても何が何でもマーキングするので、ボールが渡っても時間もスペースもタイミングも存在しない場面が多い。

そもそも、組みやすい442にしているので、仙台にとってもプレッシャーターゲットが明確になったということは、金沢にとっても同じことが言えるということだ。

深淵を覗く時と同じ。

最終盤に衝撃氣田のファンタスティックゴールが決まる。

あまりにも遅すぎた試合開始に、取り返す時間もゴールも足りずゲームセット。

ホームユアスタで、連敗した。

 

感想

ホーム開幕戦の栃木戦や前節群馬戦のように、ゲームの進め方的にほぼ完璧に近い試合もあれば、いわき戦や今節のようにまったくダメな試合がある。

野村克也が生前、「大勝したり大負けしたりしているうちは未熟。強いチームは接戦に持ち込んで、そこで勝ちこす」みたいなことを言っていたのを思い出した。

石原崇兆の目の覚めるようなゴールで、文字通り目を覚まして、0-1のままゲームを進めたり、同点に持ち込むような戦い方もできたはず。

前線からのプレッシングをいったんやめて、442ではなくても、532ミディアム~ローブロックで最悪耐えるような選択肢もある。

まだまだ未熟だし、素直だし、練習の成果発表会になっている。

いかに我慢して、焦れずに戦って不利な状況に持ち込まず、少しずつ形勢をよくしていくかで始まった今シーズン。

徐々に相手陣にボールを進めていく、ファイナルに押し込んでいく、ゴールを奪うためのリスクを取っているように見える。

一度、自分たちのベースとなるもの、これだけは譲れないものを見直して立ち帰るのも必要。

外野はやれ得点を取れだの、守りが軽いだのなんやのかんやの結果という盾を使って言えるけれど、それこそ結果に左右されない、自分たちのロードを突き進んでほしいと思う。

負けたからこそ、そう思うのだ。

 

「始まってますよとっくに。気づくのが遅過ぎた」こう言ったのは、後藤喜一だ。