はじめに
さて、2023年の開幕戦です。
あっという間にやってきましたね。
大勢の仙台サポーターが現地アウェイに詰めかけ、さながらユアスタと化した野津田。
闘いの火ぶたは、切って落とされました。
今季もゲーゲンプレスで振り返っていきます。
よろしくどうぞ。
では、レッツゴー。
メンバー
仙台【532】
GK/林彰洋
DF/真瀬拓海、小出悠太、菅田真啓、テヒョン、相良竜之介
MF/氣田亮真、エヴェルトン、中島元彦
FW/ヨンジュン、中山大観音
町田【4231】
GK/ウィリアム
DF/奥山政幸、チャンミンギュ、池田樹雷人、翁長聖
MF/高江麗央、下田北斗
MF/平河悠、高橋大悟、エリキ
FW/ミッチェル・デューク
スコア0-0
532ローブロックからの前進
徹底した報道規制から、事前情報がなかなかつかめなかったベガルタ仙台。
AKIRAさん必殺の3421なのか、433なのか、または全く違う形なのかと予想されたなか選ばれたのは532でした。
532といえば、昨季最終盤2試合で、昨季の仙台のやり方に近づけたなか現れた陣形でした。
仙台は、532でミドル~ローブロックで町田の攻撃を受け止め、自陣低い位置でボールを回収し攻撃を開始する形をとりました。
一方の町田は、4231でDF時には4213のように前掛かりになって、仙台のバック3とアンカーポジションに入ったエヴェルトンに対して、速くて早いプレスを敢行。
仙台陣内でのプレーが自然と増えていきました。
「まあそんなことは百も承知よ」と言わんばかりのAKIRA仙台。
ローブロックでボールを奪うと、ヨンジュンの落ちて2ndマンになり、短い距離のレイオフによるショートセカンドから、中央~逆サイドにボールを進めていきました。
特に、右サイドから左WB相良竜之介を出口にボール出しをしていた印象です。
町田の前線は、前方向へのプレス意識が高く、仙台にとっても脅威でしたが、プレスバックやリトリート、カウンタープレスのポジションを取る意識は極端なほど低く、エリキサイド(仙台右サイド)ではある程度時間とスペースがありました。
また、右WG平河悠の背後も空いているので、さっき書いた相良竜之介へのボール出しが可能になります。
そんな前半のボール出し。
ひとつひとつのプレー精度がまだなところと、やっぱり町田のプレス速いよね、ってところでDFの時間が長くなりましたとさ。
3142定位置攻撃とインサイドMFのポジション
「じゃあ後半は攻撃してやるさ」と言いたげなAKIRA仙台。
試合後コメントにもあったように、「オーガナイズ」を変えてきます。
攻撃時には、3142になる仙台ですが、ヨンジュンの落ちるやインサイドMFである中島元彦と氣田亮真がオフボールで抜けを狙うようなプレーを見せていました。
この動的なプレー、ポジションを取るプレーから、3142の定位置攻撃への軸足を移します。
FW中山大観音とヨンジュンは、サイドに流れたりもしてましたが。
インサイドMFの2人は、そのままハーフスペースのポジションを維持し、町田の2MF横からトップ下高橋大吾の横エリアを狙うようなポジションを取ります。
バック3からのボール出し、特に右CB小出悠太、中央CB菅田真啓は、MFへのパスを狙うようになります。
エヴェルトンがマーキングされているなら、その横を使って攻撃しよう!がひとつあったと思います。
ただし、中盤は同数かつポジションも仙台▽vs町田△だったので、ちょっと噛みあってしまったなって。
そんなところに投入されたのは、我らが塩釜の化身、遠藤康でした。
さっそく、遠藤康は町田MF-MF間に落ちるを発動。
前半、ヨンジュンがやっていた2ndマンになるプレーを実行します。
中盤は、3人+遠藤康なので、どうしても町田は追いつくことができません。
両WGのプレスバックも、時間経過とともにますます期待できなくなり、中盤の不利を招きました。
衝撃の氣田と2ndマン遠藤康
遠藤康の投入で、さらに輝いたのは氣田亮真でした。
前半から、タイミング、ポジション、オフボール、オンボール、ドリブル、シュートのすべてにおいて完璧だった氣田亮真。
自分への意識が向いているならそれを利用して、味方を助け。
味方に向けられているなら、自分は相手の意識の背後へ潜り込み。
エリキサイドの背後でポジションを取り、遠藤康に意識が向いているセントラルMF下田北斗を困らせました。
何かが噛みあいそうな予感がありました。
FWミッチェル・デュークを使って分かりやすいロングセカンドで強引に前進しようとした町田。
2ndマンとショートセカンドを使って、低い位置からでも相手の背後を突いてボール前進しようとした仙台。
お互いのやりたいことと、まだまだなところが出た試合だったと感じています。
感想
開幕戦なんでこんなものだろうと思う気持ちと、早く練度が上がっていいプレーを観たい気持ちと、まあ焦るでないという気持ちとが混在していました。
ほとんど書いてませんが、この試合の532DFの練度は相当高いものがありました。
攻撃が持ち味の相良竜之介は、対面するWG平河悠へのマークを欠かさず行い、バック3も最後のゴール前のブロッキングも見事でした。
少なくとも、ミドルからローブロックでやられる心配は無さそうです。
GK林彰洋もミスがありながらも見事な復活を遂げたと思います。
自陣低い位置(ボール出しの入口)から、自陣高い位置(ボール前進の入口)においては、狙いたいこととそれを表現するためのプレーが見えました。
しかも、どの選手もそれを実行できる戦術理解がありました。
あとは、長いリーグ戦で疲れやけが人が出たり、連敗やうまくいかない時期もあると思います。
そんな時にも引き出しが出てくると大崩れせず、順位も維持できるんじゃないかって期待しています。
いずれにせよ、始まったばかり。
はやる気持ちを抑えつつも、早く週末が来ないかって、急いている自分がいましたとさ。
「Success is not final, failure is not fatal: it is the courage to continue that counts(成功があがりでもなければ、失敗が終わりでもない。肝心なのは続ける勇気である)」こう言ったのは、Winston Churchill(ウィンストン・チャーチル)だ。
図
トップ下横を狙う仙台インサイドMFと落ちて2ndマンになる遠藤康。
欄外注釈
2ndマンとショートセカンドについて