蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

【この日をいつか思い出すまで】Jリーグ/第3節 vs徳島ヴォルティス【ベガルタ仙台】

はじめに

さて、早速3節。

始まったら始まったであっと言う間に週末の試合がやってくる。

こんな感じで今季も進んでいくのだろうか。

ひとつひとつの試合が大事になってくるな!と月並みな言葉が押し寄せてくる。

とりあえず、徳島ラーメンはうまいのだけは間違いない

特に書くこともないので、さっさとゲーゲンプレスで振り返っていきます。

では、レッツゴー。

 

メンバー

仙台【532】

GK/林彰洋

DF/真瀬拓海、小出悠太、菅田真啓、テヒョン、相良竜之介

MF/郷家友太、エヴェルトン、中島元彦

FW/ヨンジュン、衝撃氣田

 

徳島ヴォルティス【433】

GK/スアレス

DF/浜下瑛、カカ、安部崇士、外山凌

MF/杉本太郎、白井永地、柿谷曜一朗

FW/西野太陽、渡大生、西谷和希

 

スコア1-1

 

ハイプレッシングの嵐を止める徳島のポジション

徳島は、433のフォーメーションから様々な形でボール出しをするチーム。

試合序盤は、CBが開いてGK+2CBでボール出しを始める。

一方の仙台は、前線からのプレッシングで息を止めにいった。

衝撃氣田、ヨンジュン、郷家友太の3人がそのままGK+2CBの疑似バック3にプレッシャーをかける。

CB→SBにボールが渡るとWB相良竜之介、真瀬拓海が鬼の縦迎撃。

高い位置からハイプレッシングをかけて、ボール出しの入口から妨害するのがこの日のアイデアだった。

実際、開始直後、相手陣深い位置でボールを奪ってからの攻撃ができていたので、先制攻撃を成功させたの仙台といえるだろう。

そこからの徳島。

早速、アンカー白井永地がCB横に落ちて、仙台の343DFに対して不一致を起こそうとする。

また、インサイドMF柿谷曜一朗杉本太郎もCB横に落ちていく。

呼応して、SBがワイドに高い位置へポジションを取ってWG化するため、仙台としてはWBがそのままインサイドMFへプレッシャーをかけるか、SBをマーキングするのか選択を迫られた。

WG西谷和希、西野太陽がハーフスペースにポジションをとってインサイドMF化して5トップのような形で仙台のDFラインに圧をかけていった。

仙台としては、前線からのプレッシングでボール奪取を目論んでいたが、徳島の攻撃ポジションが変わったところからプレスがかからなくなる。

前からいっても外されて背後への抜けを許したり、ハーフスペースを刺されたり、逆サイドに解放されるので、少しずつプレスをかける一歩が半歩に、そして行けなくなっていった。

前半中盤あたりから541ミディアムブロックに変更。

前から行くといって臨んだ仙台にとってはリカバリーだと思うけれど、自分たちの狙いを封じられてしまった形だ。

前半については、事実上、徳島とラバイエンの勝利と言えるだろう。

 

541からの速攻

完全に鳴門の渦潮に巻き込まれてしまった仙台。

春だけど、すだちの香りを香らせて、我が世を謳っていた前半の徳島。

春だけど。

とりあえず、いつも通り、ずんだを筋肉注射して後半の戦いに臨んだ。(違います)

前半途中から変更した541のミディアムブロックのまま、ヨンジュンがアンカーをカバーして、4人のMFが中央3レーンを閉じてDFする。

仙台左サイドについては、CBがボールを持つと、中島元彦が牽制で正面を塞ぐ。

徳島は、SBのWG化は変わらず、柿谷曜一朗はSBポジションに落ちる。

ただ、仙台のワイドは衝撃氣田と郷家友太なので、中央をカバーしつつサイドまでDFできる。

CBにはある程度時間とスペースがあるなかで、そこから進んでいくボールに対してのDFに切り替えた。

SBが高い位置を取るということは、その背後にはスペースがあるし、逆サイドについても同様だ。

CBからのボールをカットして衝撃氣田のシュート、エヴェルトンの詰めまで追いつめたシーンを創る。

中島元彦のCKから菅田真啓がゲットした後も、同様の形でポジションを変えた後のスペースを攻撃する。

可変攻撃を得意とするAKIRAさん。

その弱点については、よく理解している、といったところか。

ただ、徳島は5トップ化を崩さず、3人のMFがスペースでボールを持ち、ハーフスペースのWGがアタックを続ける。

あと微妙に痛かったのは、後方からのロングを西谷和希や杉本太郎でもヘッドで繋いでセカンドを回収されてしまうシーンもあった。

ロングを蹴らせたのであれば回収したかった、のは個人的な感情だ。

押し込まれる状況を望んでいるのもあるが、押し込まれつつある仙台。

サイドで小出悠太が不用意にボールを失うと、一瞬で抜けを狙った渡大生を倒してテヒョンが退場。

交代カードを切りながら、自陣深く守って耐えていた仙台だったが、最後は耐え切れず同点ゴールを許してしまった。

 

感想

前線からのプレッシングとミディアムブロックを組んで中盤から押し上げるやり方を簡単に使い分けているあたり、DFにおける戦術理解はかなり進んでいると改めて実感する仙台。

一方で、思いのほか寄せられず、奪えず、ボール出しを許してしまった、押し込まれてしまったというのは、少し残念な部分でもあった。

少しでも高い位置からプレスをかけて攻撃したい意図は、試合を通して見られてはいたので、取り組み自体は継続してほしいと思う。

あとは、自陣深い位置からのボール出し、相手陣の入口からどうボールを進めるのかは継続した課題だ。

仙台は、町田といい徳島といい、ホルダーが素早く寄せられると寄せられた方向へボールを動かす傾向にある。

そうなると、相手の想定内でのボール移動になって、奪うタイミングを与えてしまう。

そこはがんばってGKも使いながら、辛抱強くボールを動かして、時間とスペースを捻出するか、サイドの奥にロングボールを使ったロングセカンドを狙うとか。

いずれにせよ、相手のプレッシャーをいなして、自分たちにとって有利なポジションを取る時間を創る必要がある。

徳島は、監督が代わっても、細かな変化点があれど、継続してボールゲームを進めてきたチームなのでその完成度の違いに絶望するかもしれない。

けれど、仙台の旅は始まったばかり。

この試合の結果にめげず、もう一回一からやればいいと思う。

渡大生に散々やられ、赤と黄のカードをもらったテヒョンと菅田真啓。

すべてを強くなるための力に変えて。

 

「みてるわよ、あなたがしていること。あのね、神様じゃないわよ。もうひとりのあなたがよ。もうひとりのあなたがあなたをみているのよ。見放されないようにね。嫌われないようにね」こう言ったのは、リトルミイだ。

 

仙台523vs徳島235

 

541から速攻を狙う仙台