アザールの懐①
はじめに
どうも、僕です。ここでは、footballhackの懐理論からアザールの懐ドリブルを見ていきます。理論の確認→実践例の確認→概念化・私論化および他の分野との類似性を確認していきます。実際にはfootballhackでも、アザールの懐ドリブルについては取り上げられていますが、自分で解釈と実践をしましたので、その内容を記事化します。
懐理論から今回取り上げるのは以下です。
- 2歩1触
- 懐縦突破
- 懐マシューズ (表)、(裏)
- 懐クライフ
この記事だけではすべてを記せないので、いくつか記事に分けます。少なくとも上記の4つ+自分の整理まとめ解釈記事を1つか2つ上げるつもりです。全編上がったらまとめて読んでみてください。そして、ボールを持って試してみてください。
懐理論について
footballhackから最高に分かりやすい動画解説が上がっていますので共有します。今回の題材はこちら。
非常にシンプルに言ってしまえば、懐ドリブルとは以下です。
- 懐ドリブルとは、懐の深いドリブルのこと。
- 踏み出した軸足と後ろに残した利き足で三角形(懐)を作る。利き足側にボールを置く。
- かがめて姿勢を低くしボールを包み急加速して抜いていく。
では、まずは懐から縦に抜いていく懐縦突破から見ていきます。
懐縦突破
まずは、懐ドリブルの基本であり第一の武器である懐縦突破。まずは縦に抜いてスピードアップすることがオフェンス側にとっては重要ですし、ディフェンス側としてはこれをまず防ぐことが使命になります。2歩1触については別記事で実践例を見ます。ここでは、2歩で1回タッチする理解で構わないです。
正対→2歩1触→懐縦
正対しながらゴール前へ進行。
左足を着地。2歩1触の1歩目。その時目をDFと合わせると、DFは動けなくなる。(ゴーゴンの眼)
2歩1触の2歩目と1触。右足くるぶしから足の甲へ向けての横のラインと中指縦ラインが交差する部分でタッチ(触)。
綺麗な2歩1触。ボールの後ろに小さな三角形(懐)ができる。
懐。左足をボール手前に着地させず、大きく開いた三角形でボールを包む。
右足でボールをタッチしながら急加速。
懐の最大メリットは、ボールをDFから隠せること。文字通り懐に包むことで、DFからのボール奪取を防ぎつつ、ドリブルで前進することです。また、2歩1触からのリズムチェンジで急加速→相手を置き去りにできます。
2歩1触の1歩目。
2歩1触の2歩目と1触。
右手でハンドオフ。右足で懐をつくるわずかな空間を生み出すための技。
右足着地。バランスは崩れているが懐。股下の三角形でボールを包む。
左足にボールをつけて、懐縦突破の構え。DFは、背中でボールを目視で確認できない。実際に自分がDF側になって試してみましたが、本当に全く見えなくなります。
アザールもバランスを崩していますが、DF側の方が顕著。倒せば1発ファールのリスクとボールが見えないことから、中途半端な対応に(=DFできていない)。
ボールをキープすることに成功。
ポイント
- 2歩1触と懐ドリブルの合わせ技でリズムチェンジ
- 基本的には、利き足側にボールを置き、軸足を開いて懐を作る。
- 軸足は相手の間合いに踏み込む感覚。バスケでいうピボット。達人の居合のイメージ。
- 2歩1触のドリブル姿勢からボールを包むようにかがむことで、背中と踏み出した軸足でボールを隠す。
- DFがボールを目視できない状況で、利き足でボールを押し出し急加速。ボールをブロックしつつ抜いていく。
- 目を合わせること、踏み込むことで、人間(DF)は防衛本能から身体を固める(ゴーゴンの眼効果)。岩(固まったDF)の脇をすり抜ける流水の感覚で抜く。
参考
今回、懐ドリブルを記事化しようとしたもともとのきっかけは以下の動画です。特にオフハンドの見せ方の動画で見せるドライブは、まさに懐縦突破です。ほかにも、駆け引きするうえで大事な考え方だらけなので、このシリーズのまとめあたりで言及したいと思います。