蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

「君が広く攻めるなら、私はもっと広く攻めましょう。」と微笑む君。15

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終わりの序の続

とりあえず喫茶店

高校生が3人。

黒髪、金髪、男子。

「えーっと、またこうして3人で喫茶店に居るわけだけど…」

「何言ってんのよ。こんなの、単なる作者の使いまわしに決まってるじゃない。」

「ちょ、ちょっと李七…!」

「完全に同意ね八乙女さん。ただのネタ切れ導入なだけ。いいアイデアが思いつかなくて、昔のプロット引っぱり出してくるなんて、愚かさここに極まれりね。まったく。」

まさか冒頭からこんな仕打ちを受けるとは思わなかった。

「ま、まあまあ…僕たちも、結構放課後には立ち寄っているというか…」

ナイスフォロー朗。

「大体、喫茶店でサッカーの話って設定に無理があるんじゃないかしら。」

「どうせ高校青春物ならカフェにでもぶち込んでおけって思ってるんでしょ!」

ひどいな君たちは!

「……(とりあえず矛先がこっち向いてないから今日はツイてる)」

おい裏切者!

2トップの守備

「それで、今日は何の話題でいくの?」

「そう慌てないで八乙女さん。先に言っておくのだけれど、あなたが人生のすべてを捧げてるプレミアリーグの話は一切しないから安心してほしいわ。そんな重いテーマ、あなたは良くても周りがうんざりしてしまうのよ。」

「なによ宮城野原詩!せっかくポール・スコールズのプレー集動画をダウンロードしてきたってのに!少しは語らせなさいよ!」

「そういう恥ずかしげもなく趣味全開に自分の性癖を晒すスタイル、別に構わないと思うのだけれど、誰にも需要がないのだから、家でPCの前でやってほしいものね。誰もあなたの裸なんか見たくないから。」

「わ、わ、私がそんな、脱ぐわけないでしょ!そ、それにアンタみたいに、部屋暗くしてPCの前で『デュフフフッ!エジルたん萌えええええ!!!!』なんてやるわけないでしょ!サッカーなんてものは、みんなで観るからより一層楽しくなるんじゃない。ねえ朗?」

「あ、ああそうだな!好きなものは共有していくのは、オタクとしての鉄則だからな!宣伝!布教!これですよ!そういえば、シャビのマタドールターンの動画を見つけたから今度見せるぜ!」

「あー、私、プレミア専なんで。」

「ちっ、プレ専乙。」

 

高濃度の黒オーラを確認。

「……誰が根暗陰キャぼっち重力女ですって…?

 

「言ってない!言ってないから詩!というか、なんで僕が釈明してるわけ!」

とんだとばっちり。

「あーら、分かってたんだったらいいわよ宮城野原詩。別にあんたがどうしても一緒に見てほしいのなら、その重い頭を下げるっていうなら、考えるかもしれないし、考えないかもしれないわね。」

「……覚悟はいいかしら…八乙女さん…!」

「何よ。もうこっちは、エクスカリバーを抜いてるっての…!」

金黒戦争。

 

「気をとりなおして…。今日も、僕からお題を持ち込んだんですけれど。」

コーヒー。

コーラ。

調停材料。

「ハーフライン付近で守備をする時、2トップって色んな動きをしてるなーと思って。それで、2トップの守備とか攻撃側の対策とか議論できれば最高だなと!」

 

「はいはい続けて続けてー。」

「さっさと本題に入ったらどうかしら朗。」

低調。

 

「ぼ、ボールを持たずに攻撃するって考えたら激萌えじゃん…??え、えーっと、じゃあまずは、2トップの守備について、よろしくお願い申し上げます詩!」

司会進行。

面倒そう。

「毎回毎回私のターンからって言うのは、正直どうかと思うのだけれど。でも、そういう、何の恥ずかしげもなく丸投げしていくスタイル嫌いじゃないわよ朗。」

「いやいやいや丸投げじゃないって!」

「本当に信頼されているのだと強く実感できるわ朗。そう思うと、こんなに興奮することはない…。」

「あのー、何の脈略もなく突然彼女に、コ○ファイターで脱出してきた天パみたいな興奮の仕方をされる彼氏の気持ちも少しは考えてほしいっすー。」

「あ、あ、あんた達、公衆の面前でいい加減にしなさいよ…!」

「あらごめんなさい八乙女さん。あなたがいきなり香川のハットトリック動画を見せて来て興奮していた時は、もっと恥ずかしかったのだけれど。電車のなかだったし。」

「う、うるさいわねーーーー!!!ムキーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

「まずは、一般原則というか、基本的な部分について言えば、詩に聞いた方が確実かなと思ってさ。」

「全く。少しは受験勉強で疲れた頭を休ませてほしいのだけれど。」

「う……それについては、そういう咎も甘んじて受け入れていくしかないと言いますか…」

「まあそうね、相手が4バックだと想定した時、2トップは相手の2センターバックと対面することになる。いわゆる管轄担当ってやつね。」

「まずは、そこで自由にさせないようにするってことですよね。」

「そうね。ボールを持ってる選手の時間とスペースを限定するってのは、前にも話をしたと思うのだけれど、まずはそういう理屈ね。」

センターバックは、ボール扱いがあまり得意じゃない選手が多いから、そうやってフォワードがプレスのターゲットにするってわけね…。」

「ええ八乙女さん。ただ、これも前に話したとは思うのだけれど、たとえば、アンカーのような選手がいる場合、2トップだって無暗矢鱈にプレッシャーをかけられなくなる。」

「アンカーが構造的に浮いたポジションにいるというか、2トップの背後にいて、誰かがチェックしない限り、フリーでボールを受けられるんですよね!」

「結果として、2トップの片割れがアンカーをフリーにさせないようマークする。そうなると実質、センターバックの1人をフリーにさせるような守備になっていくわ。まあ、もう少し細かくプレスのかけ方とかはあるのだけれど、それはまた別の時に話すことでいいと思うわ。」

 

人物紹介

宮城野原 詩 (みやぎのはら うた)

 仙台市内の学校(神杉高校)に通う高校生。

 サッカーオタクなのは隠している。観る将。

 黒髪、肩ぐらいまで伸びた髪は変わらず。

八乙女・ヴィクトリア・李七 (やおとめ・ヴィクトリア・りな)

 仙台市内の学校(神杉高校)に通う高校生。

 サッカーオタク。見る将。

 今は金髪ポニーテール。 赤いリボンは変わらず。

国府多賀城 朗 (こくふたがじょう あきら)

 仙台市内の学校(神杉高校)に通う高校生。

 サッカーオタク。観る将。 サッカーの見方を勉強中。

 受験勉強とサッカー観戦、3:7ぐらいだったのを詩に怒られ4:6にした。