蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

【ベガルタ選手分析】ハモン・ロペスとシュートと約束の日

はじめに

 どうも、僕です。今回は、ベガルタネタ。データで紐解くベガルタ選手分析です。分析というよりは、どちらかというと紹介に近い形になりそうです。こんな選手がベガルタにいるよが紹介できれば良いなと思っています。今回は、FWハモン・ロペスです。では、レッツゴー。

ハモン・ロペスについて

 ハモン・ロペス(以下、ハモン)は、ブラジル出身の30歳です。ポジションはFWです。2014年にベガルタに加入。着々とゴール数を増やし、2017年には、柏レイソルに移籍します。ただ柏では残念ながら、期待されていた活躍ができず、2018年途中にベガルタに帰還しました。今季は、9番をつけ、エースとしての活躍を期待されている選手になります。

ハモン・ロペスの特徴とある仮説

 ハモンの特徴といえば、左足から放たれる強烈なシュートになります。サポーターからは、「ハモン砲」と呼ばれ親しまれています。一部の熱狂的なファンの間では、波動砲やサテライトキャノン並みに愛好されているとかいないとか。当然、このハモン砲がバリバリゴールに突き刺さって、何度もゴールネットを張り替えるような事態になれば、僕たちは喜んで「ハモン砲によって壊れたネットを張り替えるための募金活動」に取り組むのですが、そんな簡単にはいかず。まるで必殺技のように、決める時は決めるのですが、必殺技を乱発したうえなので、一部のウルトラマン仮面ライダーで育った世代からは不評なようです。というか、サポーターの多くが「頼むから1本決めてくれ…!な…!」とまるでなかなか寝付かないこどもに懇願するような気持ちで応援しています。

 ここで、僕は疑問を持ちました。「ゴールを決めるだけなら、もっと良い体勢で、自分の得意な形に持ち込んで撃つはず。でも、センターサークルから撃つは、相手が2人、3人で前に立ってるのに撃つは、というか触った瞬間撃つわで、ゴールする気ないんじゃないか。もっと別な理由があるのでは?」と考えたわけです。

 そこで思いついた仮説は、「柏時代のチームメイト、クリスティアーノとシュートを撃ち続ける約束をした」のではないかということです。クリスティアーノもめちゃくちゃシュートを撃つイメージがあります。ここは、ロジカルな検証が必要なので、数字ベースであくまで客観的に見たいと思います。

ハモンとクリスティアーノの約束

 まずは、ハモンの今季ここまでのスタッツです。データは、Football LABさんからお借りしました。ありがとうございます。これで、極めて客観的な確認ができそうです。

www.football-lab.jp

ハモン・ロペスのスタッツ

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 まずは、シュート部位のデータです。部位と言っても、ハツやミノのことではなく、どこでシュートを撃ったかです。御覧ください。いっぱい赤くなってます。見事にいっぱい左足からシュートを撃ってます。クロスもいっぱい左足からクロスしてます。ちなみにアンデルソンロペスも指標が近い選手として紹介されると、「ロペスはシュート撃ちまくる説」が出てしまうので本当に勘弁してほしいです。

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 次に、シーズン記録の実数とFootball LABさんが独自にサンプリングしているチャンスビルディングポイントを見てみましょう(横文字が並ぶとそれっぽくなります)。

 ここまで19試合に出場。撃ったシュートは73本、ゴール数4、決定率5.5%という数字です。何が何やらさっぱりです。とにかくいっぱいシュートを撃ってるようです。計算してみると18.25本のシュートを撃つとゴール上げられる計算になります。1試合に5~6本のシュートと考えると3試合に1本はゴールに入っている皮算用になります。このデータからも、ハモンはゴールの他に何か理由があってシュートをいっぱい撃っていることが推測できます。ちなみにチャンスビルディングポイントで見ても、シュートは6位と輝かしい成績を残す一方、ゴールは32位と良いのか悪いのか何ともコメントしづらい順位になっています。

クリスティアーノのスタッツ

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  さて、クリスティアーノの今季のスタッツです。利き足は右足なので、青いです。いっぱい右足でシュートを撃っています。クロスもいっぱい右足から送っています。これは、あの日の約束を守っている感がいっぱい出ていい感じです。 

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 次にシュート数です。まさに圧倒的。チャンスビルディングにおいても、シュート・クロスともに1位。攻撃のキーマンとしてバリバリ活躍しています。というか、真面目な話、約束とかなくてもこのぐらい活躍してそうな気がする。気がするだけ。なんだかこんなことを書いているのが恥ずかしくなってきましたが、どんどん行きましょう。

 今季は、ここまで27試合出場。シュート数は115本、ゴール数は9ゴール、決定率が7.8%となっています。試合数がハモンより多いとはいえ、すでに三桁超えのシュート数。やはり、いっぱい撃ってるようです。シュートを12.77本撃つと1点決まる計算になります。1試合6本くらい撃ってれば、2試合に1本ぐらいはゴールに入る計算です。しかもアシストもここまで12アシストを記録。チャンスビルディングポイントの攻撃においても堂々の2位と、完全にエースの働きじゃないですか。

ピッチで会う約束の日まで

 2人のデータ比較から見えてきたものとしては、ハモンは「とにかくシュートを撃ちまくる」に対して、クリスティアーノは「シュート、クロス含めて攻撃全般のエースとしてバリバリやっている」でした。仮に2人が「シュートを撃ち続ける約束」を交わしたとしても、律儀に約束だけを守っているのはハモンの方というか、真に受けたとかいわないのそこ。あとは、クリスティアーノ側については、そんなにがんばらなくてもシュート撃てるしゴール決まるし別に約束してもええで!ぐらいの感覚かもしれないです。知らんけど。もしかしたら、ハモンも柏に行って学んだことで、「まずはシュートを狙う」をクリスティアーノから学んだのかもしれません。FWには必要な考え方かなと思います。

 まあ、いろんな邪推はさておいて、また2人がピッチで出会える日が来れば良いですね。柏がJ2で破竹の勢いらしいので、ぜひとも昇格いただき、来季ユアスタでその再会を目撃できれば良いなと思います。ーーーまた出会うその日まで。今日もユアスタでハモン砲が炸裂する。

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おわりに

 まずはここまで読んでいただいた方々に感謝を申し上げます。どう見てもおふざけ記事です。すみません。弁解は罪悪と知っていますが、あえて弁解すれば、とにかくハモンはシュートを撃つなーと思ったのがことの発端です。しかも試合を見ている皆同じような感想を持っているので、いわゆる期待感というより、なんで撃つん?ってな具合で。まあ色んな仮説がありましたけど、ハモンにとっても柏レイソルへの移籍、同郷のエースクリスティアーノから受けた影響もあったのかなーと素朴に思って、今回の記事を書くきっかけになった「シュートを撃ち続ける約束をした」を思いつきました。あとやっぱり、なんだかんだ言って、ゴールを決めて活躍してほしいなという思いもあります。

 正直、データで選手を見る機会って普段ほとんどなくて、自分が見た実感をデータで見て照らし合わせて見るのは好きなので、今回もさっくりデータを見て書いてみました。Football LABさん、本当にありがとうございます。眺めるのは好きなので、シーズンオフとかにお世話になっています。ぼやーと思ってることを可視化するのってすごく大事なことですし、そこに立てられる仮説と考察に個性が出るんじゃないかなと思っています的なアレを書いておけば許されると思ってたり、思っていなかったりです。今回はこの辺で。では、また。