蹴球仙術

せんだいしろーによるサッカー戦術ブログ。ベガルタ仙台とともに。

「5レーン&4レイヤー理論」

■はじめに

 どうも僕です。今回は、サッカーの戦術のお話。というより、理論化の話になります。理論とは、英語でTheoryといって、学問的には、因数分解のイメージです。A+B=Cみたいな。もっと複雑な式ですけれど。

 じゃあ難しいのか。そうではないです。もっと言えば、理論とは、この式を使えば誰でも、簡単に、すぐに答えを導ける、間違いを発見できる優れものなのです。

 そんな流れの中において、僕は、先人たちが築き上げてきた基礎から、今回は、「5レーン&4レイヤー理論」をここに提唱したいと思います。

 

■5レーン&4レイヤー理論とは

 5レーンとは、ピッチを縦5分割して、セントラルレーン、ハーフスペース、ウィングレーンを静的に規定します。一方で、4レイヤーとは、①相手FWの正面、②FWとMFの間、③MFとDFの間、④DF背中で縦横スライドに合わせて動的に規定します。

  この2つの考え方を合わせて、ボールを運ぶ、ひとが動くエリアを明確にして、最終的には「左ハーフスペース・第3レイヤーにポジションを取る」と言ったピッチで起きる現象・事実をきちんと理解することができると考えます。 

 

 

 

 

■4レイヤーの考え方

 4レイヤーのポイントは、以下です。

  • 縦横スライドに応じて、動的に規定される。
  • 5レーンとセット
  • 最初のレイヤー、第2レイヤー、第3レイヤー、最後のレイヤーと呼称
  • 4レイヤーが前提で、4ラインのディフェンスについては、3ライン間の「レイヤー埋め」と規定する。また、レイヤー幅を縮めることを「レイヤー圧縮」、レイヤー幅を広げることを「レイヤー拡張」と呼称する。

 

 ■4レイヤーの基本と応用

 (1)レイヤーの基本

 レイヤーの基本、というより、最終目的地は当然、最後のレイヤーでクリーンにボールを持つことです。ただし、最初のレイヤーから最後のレイヤーへの直接攻撃は、特別な場合を除いて難しいと考えます。

 基本的には、最初-第2レイヤー、第2-第3レイヤー間をボールが動くことで、相手のレーン埋めからハーフスペースを解放させ、レイヤーを上がっていくことが重要だと思います。そして、最後の局面で、最後のレイヤーを使って攻撃するのが理想型と言えます。これは、ボール保持側が最も得する、成功した例と言えます。

 ボール非保持側は、この逆になります。最後のレイヤーへのレイヤースキップパスを警戒しつつ、最初のレイヤー、第2・第3レイヤーの圧縮や埋めで対応することになります。そこは、チームや状況によって変わるかなと思っています。また、同時にレーンもきちんと意識する必要があって、レイヤーを圧縮しても、ウィングレーンが空くことになります。そこはやはり、レーンとレイヤーをセットで考える必要があるのかなと考えます。

 

(2)レイヤーの応用

 ここからは、応用編。応用技とも言えます。

①レイヤースキップパス

 レーンスキップパスがひとつレーンを飛ばすパスであるのと同様に、レイヤーもひとつ飛ばすことで、相手の①プレス、②スライドを間に合わせさせなくします。

 

②擬似カウンター

 名前が良いかどうか分かりませんが、わりと皆さん使われているので。最初のレイヤーから第3レイヤーへのレイヤースキップパスは、第2・第3レイヤーにポジショニングしている選手を飛び越していきます。もちろんそれは、レイヤーを規定している相手にも言えることで、直接第3レイヤーにボールが運ばれることで、まるでカウンターのような現象・状態になります。そうなると、残すは、最後のレイヤーのみになります。

*擬似カウンターについては、設計しているのかどうかもあると思いますが、僕は、ひとつの現象に対して、「擬似カウンター」と便宜的に呼んでいるに過ぎないと考えています。より正確に認識するのであれば、「最初のレイヤーから、第3レイヤーへのレイヤースキップパス」と理解するべきだと考えています。

*概念図

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③オンオフポジショニング

 オフサイドポジションから、オンサイドポジションに移動するオフボールの動きをオンオフポジショニングと呼んでいます。レイヤーで落とし込むと最後のレイヤーから第3レイヤーへの移動です。これによって、ファイナルライン(DFライン)が一時的に下げさせられるので、第3レイヤーが拡張しますので、擬似カウンターが決まりやすくなります。もちろん、ほかのレイヤーでも応用可能だと思います。

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④レイヤー埋め、レイヤー圧縮

 ポイントでも書きました。どちらも、現象的、構造的には採用されているやり方です。これを5レーン&4レイヤー理論に落とし込むと、このように呼べるというだけです。

 ボール非保持側は、第2・第3レイヤー圧縮(=最初・最後のレイヤーのレイヤー拡張)を図ることで、ボール保持側の前進を阻みます。また、初めから、アンカーを置くなど、「レイヤー埋め」することで、前進を妨害することも可能です。一方のボール保持側は、5レーン理論を応用することで、空いているウィングレーンやハーフスペースを利用して、前に進んでいくこともできます。

 

 このように、5レーン、あるいは4レイヤーだけでは実現できない、攻撃や守備があると思います。ポイントで述べたように、2つはセットで考える必要があって、だからこその「5レーン&4レイヤー理論」なのです。

 

■おわりに

 ことの発端は、仙台界隈、戦術部のりゅうさんからの「ベガルタの擬似カウンターがなぜ少なかったのか?」のお題に答えるべく、継盤研究していました。

 ここのところのベガルタはポジショナルプレーではないのでは?の問いかけもあって、ポジショナルプレー概念のもとプレーしていることを前提に、大ファンのfootballhackさんのスペーシング理論からこの理論を採用して、今回の理論を応用して仮説立て、理論構築を図ろうと思いました。

 予想以上に、現場で実際に指導されている方々からもポジティブな反響があって、そこがとてもうれしいと同時に、好き放題言っているのにも関わらず感謝の気持ちしかないです。

 今回ブログにひとまとめにすることで、より色んなやり方、見方でサッカーと向き合える一助になって、プレイヤー、指導者、観戦者の可能性が広がることを願っています。

 

■感謝の意味を込めて

①偉大な先人たちの知恵の集合体です。

footballhack.jp

 

②ともにサッカーを学ぶ仲間たちです。