はじめに
さて、10節。
思い出ぽろぽろなきーやん岡山と対戦。
タフな連戦の最後にふさわしい相手と、真正面からのファイトで闘ったのは、俺たちの仙台でした。
この試合もゲーゲンプレスで振り返ります。
では、レッツゴー。
メンバー
ベガルタ仙台【4231】
ファジアーノ岡山【442】
スコア 1-1
速攻を研ぎ澄ますその先へ
仙台は、この日も4231。
ホルダーに対して、前向きでボールをもらおうと動きだす。
仙台も岡山も、相手のSB背後への抜けを狙い、そこへのロングセカンドでの前進を目論んでいた。
岡山なら櫻川。
仙台は、右WG郷家、FW山田が中央からワイドに向かって外流れしていく。
そこからセカンドを回収して、中央へのアプローチ、あるいは逆展開して前進していく。
岡山は、442で人への意識が強いDF。
SBは、縦迎撃の意識が強く、仙台は右SBハチ、左WG秋山がワイドに低い位置をとることで、相手を誘きだし、その背後への抜けを狙っていった。
岡山CBがタッチラインへ追い込むようにカバーする。
ただ、残っているCBと逆サイドのSBは中央でゴール前を守るため、カバーのためにタッチラインまで行ったCBがいたエリアを空けることになる。
ここを埋めるのはMF。
仙台は、中島元彦、あるいはMFである鎌田、エヴェが、MFが空けたスペースを使って攻撃する。
先制後、バイスが空けたスペースを2MFが埋めるが、一度ボールが戻るとラインを再構築できず、3列目からエヴェの抜けから決定機を生み出している。
仙台としては、ラフにボールを当てて、そこへ味方を密集させるやり方というより、こうやって少し手間を加えている。
相手をポジションで誘き出し、相手にスペースを空けさせ、オープンなエリアでのプレーが得意なアタッカーにファイナルを任せる。
中島元彦が躍動した要因のひとつと言えるだろう。
ボールを持つと、スペースに向かって走り込むようなモーションで構える。
スペースで待ち合わせて、相手にそのスペースを埋めさせるよう強制させる。
相手が人への意識が強いと、より効果があるように感じる。
ゲームは、先制後しばらくすると膠着し、後半開始早々、岡山が同点に追いつく。
なるべくボール前進あるいは保持について書きたいのだが……(そもそも今のサッカーは打開だろ!というツッコミはさて置いておこう)
失点シーンは、仙台と同じようにSB背後へロングセカンドを狙われ、菅田がカバーして中央が薄くなったところを逆サイドの佐野にゴールされている。
その後、同じようなやり方で同じく佐野のシュートまで持ち込まれている。
前線からのハイプレッシングである以上、中盤のコンパクトさは失われ、こういった1v1の対応を強いられる。
フィジカルが安定している時間は良いが、それも限界があるだろう。
この3連戦の総括であるかのような、得点と失点だったと思う。
(得点は中島元彦のハイプレッシングからのゴール)
感想
ボール保持はどこへ!!!ボール前進はどこへ!!!
タイミング良く繋がり、右から左、左から右へと展開し、逆展開することで相手をファイナルに押し込み、奪われてもカウンタープレスから無限攻撃編を見せてくるんじゃないんか!!!
嘘だと言ってよ、バーニィ!!!
なんてこと言っても仕方ない。
絵餅は食えないわけで、それにこだわって餓死しては元も子もない。
長いシーズン、どこかで実を取らないといけない。
とはいえ、郷家や山田の背後への抜けだったり、いつメンのバック3による保持とかまったく地続きでないってところが肝心だったりする気がする。気がするだけ。
それに、この試合のように、このサッカーを続けるとなると体力の管理が非常に重要になるので、それはそれで高度な判断と強力なフィジカルが必要となる。
本来、春先から表現していたサッカーは、そのあたりの体力ゲージへのケアだったり、試合開始早々150%でそのあと20%みたいなパフォーマンス維持ではなく、常に安定的に70~80%の力を発揮するシステム、オーガナイズだったはず。
ボール保持で回復しつつ、ショートスプリントでボールを回収。
そのための正しいポジション、繋がるタイミング、後方の保持と前線の抜け。
とはいえ、150%を発揮することで光り輝く選手がいることもまた事実で。
秩序のなかにダイナミクスを埋め込んだハイブリッドが、きっと行き着く先だろう。
この3連戦は、そのダイナモエンジン全開で戦ってきたわけで、チームはまた違う顔を見せたと言えるし、そもそも備わっている一面を見せただけとも言える。
ひとつひとつヒントのようなものを見せられてる気がしていて、また未来に向けて楽しみが増えてしまった。
と、今はそう思っておくとする。
激動の10試合が、終わった。
「ガンダムを誘い込んで不意打ちをかける。そうすりゃヒートホークでも勝てる」こう言ったのは、バーナード・ワイズマンだ。