せんだいしろーによるサッカー分析ブログ

戦術を通してサッカーを考える。分析は我らがベガルタ仙台中心。知恵の墓場。

セリエA 第8節 ナポリvsサッスオーロ(2-0)「イタリアのものが好き」

■はじめに

 初の海外チームのゲーム分析いってみます!どちらのチームも、正直、「ナポリは、いいぞ」「サッスオーロは、いいぞ」ぐらいしか聞いていないサッカーおじさんですが、ちゃんと見てみると、なんというか、戦術の国イタリアの英知が濃縮されたような試合に。それでいて、モダンな感じがあって新しいというか。サッカーは、いいぞ。そんなソムリエやっていないで、野次馬根性丸出しでレビューしています。それでは、レッツゴー。

 

■オリジナルフォーメーション

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 ナポリは、サッリが去った後、アンチェロッティを据えてバランス型に。とは言っても、出る杭を打って丸めるというよりは、全体的なレベルの底上げといったところか。今節は、いつメンのハムシクカジェホン、インシーニェがスタメンを外れている。オリジナルフォーメーションも4-4-2を採用。

 対するサッスオーロ。イタリアのグアルディオラこと、ロベルト・デ・ゼルビが率いる。普段は4-3-3らしいのだが、今節は、3-4-2-1採用。GKを含めたビルドアップ、ポジショナルアタック、即時奪回と、ポゼッション志向型ポジショナルプレー原則を採用するチームの特徴が出ている。

*ちなみに普段から試合を見ていないので、名前・ポジションの間違いがあったら申し訳ない。あとサッスオーロ視点よりになっていると思う。

 

■概念・理論、分析フレームワーク

 ポジショナルプレー概念における「5レーン理論」を援用して分析とする。分析フレームワークは、Baldiの「チーム分析のフレームワーク」(2018)を採用する。

 

■前半

(1)攻撃

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 サッスオーロのビルドアップは、ポゼッションによるビルドアップ。3バック+2センター、時折GKを混ぜて行われている。ポジショナルアタックも、ハーフスペース、セントラルレーンにひとを集めて、ウィングレーンのアイソレーションからの、ライン間、ライン裏にボールを入れていくのが狙いだ。

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 18分の攻撃が良い例だ。CBのドライブ、大外に張り出しているWBからバイタルにつけるやり方でナポリディフェンスに迫っていった。そこから1点でも入っていれば、結果は変わっていたかもしれないし、変わらなかったかもしれない。相手は、ナポリだ、アンチェロッティだ。

 一方のナポリの守備。ハイゾーンでは、サッスオーロのビルドアップ隊に対して、マンツーのような形でビルドアップ妨害。かわされて、ミドルゾーン、ローゾーンに侵入されると4-4-2でハーフスペースを埋める中央圧縮ブロックを形成。サイドにボールを繋がれるが、そこはスライド対応し、中央に戻させたところをSHと2トップのチェックから、ショートトランジションにつなぐ狙いだ。

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*2分の先制のシーン。ボールサイドの4人に対して、4枚をつけるナポリ。この後、ゴール前のフリーマンにボールを渡すサッスオーロだったが、それはナポリに誘導された形。ウナスにカットされ、豪快にゴールネットを揺らされている。

 

(2)ネガティブトランジション

 サッスオーロは、エリア密集型ゲーゲンプレス。ナポリは前プレス&リトリート。サッスオーロが70分辺りから足が止まってきたのは、この辺も影響しているような気がする。気がするだけ。

 

(3)守備

 サッスオーロの守備は、5-2-3と5-3-2の中間のような形。基本的には、ボールホルダーに対して、プレーエリアを限定させるような形で囲っていたように思える。

 ナポリの攻撃は徹底されていた。2-4-4の形でビルドアップし、4-4のサイド経由でボールを運んで行った。フルメンバーでないことも関係しているのか、カウンターリスクの少ない形でボールを運ぶことを選んだアンチェロッティ。さすがの引き出しの多さだ。

 

■後半

(1)攻撃

 前半同様の形で攻めるサッスオーロ。けれど、最後、ボックス内へ危険な侵入まではいけなかった。おそらく、ナポリの戦い方が影響していると思われる。ベストメンバーでないなか、1点リードしている状況。リスクを最小限に留めておけば、まず勝てる。中央にブロックを形成して、あとは、交代で入れたカジェホン、インシーニェで仕留められればOKといったところか。そして実際にそうなっている。

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 49分、ナポリはがっちり中央を閉鎖。対して、サッスオーロは、セントラルレーン、ハーフスペースに六角形でポゼッション。左ウィングレーンにアイソレーションで待機。

 

(2)守備

 なんとか同点に持ち込みたいサッスオーロ。71分のインシーニェのゴラッソは痛かった。体力的に厳しいからか、ラインが下がって、ボールにも追いつけなくなっていった。攻撃時は、きちんとポジショナルに攻撃しているため、そこまで疲労の蓄積はないと思われるが、守備面なのだろうか。メンバーが固定されているからなのだろうか。いずれにしても、1試合、1シーズン通して戦うためには、解決したい課題である。

 

■考察

 出てくる出てくる、イタリア産ポゼッション型ポジショナルプレーチーム。昨シーズン、旋風を巻き起こしたナポリと今シーズンの台風の目になりそうなサッスオーロ。戦い方は、コントラストができていたが、どちらも完成度は高い。サッスオーロは、仕留める選手がほしいのと、プレー展開をコントロールできる選手がいると安定しそう。カジェホンジョルジーニョがほしい。ナポリは、アンチェロッティのおかげで、どんな状況でも、相手でも勝ちにもっていけるチームになりそう。去年優勝を逃したのは痛かったが、しっかりとチームを構築したうえでのもし優勝したら、新たな時代が到来するかもしれない。

 

■おわりに

 まずは、名前が間違っていないかが気になる。外出した時に、家の鍵を閉めたかどうか気になるくらい気になる。やはり、どちらもカラーがはっきりしているというか、この試合での立ち居振る舞い方というか、はっきりしていて、それがいわゆるプレー原則・プレーモデル、ゲームプランというやつなのかなと。ミクロで戦っているけれど、マクロでも戦っているような、そんな一戦だった。レベル云々は別で、こうやって、意図や狙いを端々に感じ取れるゲームを分析できると面白いなあと思いました(コナミ)。もしかしたら、またやるかもしれないし、やらないかもしれない。ま、時にはいいのかも。それではチャオ。

 

■参考文献

www.footballista.jp

www.footballista.jp

birdseyefc.com

 「footballhack 美しいサッカーのセオリー ビルバオ×ビエルサのコレクティブフットボール2」footballhack(2012)

http://silkyskills4beautifulfootball.blogspot.com/2012/08/blog-post_22.html