せんだいしろーによるサッカー分析ブログ

戦術を通してサッカーを考える。分析は我らがベガルタ仙台中心。知恵の墓場。

Jリーグ 第20節 ジュビロ磐田vsベガルタ仙台(3-2)   「今日もそして明日からも」

■はじめに

 記念すべき初のサッカーブログは、我らがベガルタ仙台!ウソウソ!書きたいことがまとまってません。後半なんてめちゃくちゃ、自分で分かってるんです!月島雫ではないけれど、ベガルタ云々の前に、きちんと分析ブログが書けるのかがおおいに心配で、必死の形相で、ゲーゲンプレスかけてます。小さいサッカー脳を絞りだして、我らがベガルタの試合を文字に起こしました。よかったら見てあげたってくださいな。

 

■オリジナルフォーメーション 

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 ベガルタは、トップに新加入のハーフナー・マイクが初スタメン。戦前予想では、西村のインテリオール(このポジションにいい名前をつけたい)も予想されたが、満を持してスタメンに。これで物理で殴れるぜ。あとは、ケガ人続出の我らがベガルタにおいて、山場と位置付けたこの試合に送り出された現時点でのベストメンバーだ。

 一方の磐田は、俺の息子たちがスタメン。「思いっきりいけ!」「信じて走れ!」「な、俺の言った通りだろ?」の名波ジュビロ中村俊輔という、世界的なキッカー不在でもやっぱり、川又で殴る、収めるが基本戦略だと思う。あのキックと川又は、凶悪すぎると思っていたら、大久保に裏を取らているとか悪夢過ぎる。あと、残念そこはカミンスキーだ。

 

■概念・理論、分析フレームワーク

 ポジショナルプレー概念における「「5レーン理論」を援用して分析とする。これは、ベガルタが「レーンを意識して良い立ち位置を取って攻撃・守備をする」がプレー原則にあるためである。また、分析フレームワークは、Baldiの「チーム分析のフレームワーク」(2018)を採用する。

■前半

(1)攻撃

 ベガルタの攻撃は、もちろん、マイクの質的優位性が狙いだ。ただし、DFラインからの直接攻撃→セカンドボール争奪戦に持ち込まなかった。5バックで引いた相手を想定して、マイクが1人でDFを2人引き連れてくれれば、どこかで誰かがフリーマンになれる。数的優位性を確保できる。-デコイマイク-そんな目論見だった。

 23分、そんなこんなでベガルタが中野のゴールで先制する。右ウィングレーンの蜂須賀からのクロスに左ウィングレーンの中のゴール。昨年、よく見たWBからWBへのゴールシーンだ。今シーズンは、5バックで5レーンを埋められるケースが多く、あまり見られなかったが、3トップが相手DFを中央に引き連れてくれた。結果、中野がハーフスペースを駆け上がり、ローポストに侵入することができた。

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*ボックス内、手前からマイク、石原、西村の3人。磐田DFはセオリー通り+1の4枚。3バックにマイク含めの3トップをぶつけた結果、フォローに右WBが入ってきて中野をフリーマンにした。左WBも蜂須賀のクロスに対して、もう一歩寄せたかったか。

 質の高い選手を相手にとって危険な位置に置く。結果、数的優位ができる。ペップバルサのメッシ0トップと原理的な部分では同じだと思うとちょっと感動してしまった。サッカーの原則は、普遍的なものなのだ。

 

(2)ネガティブトランジション

 ネガティブトランジション時のベガルタは、リトリート。夏の暑さ対策か引き込みカウンター狙いかボール近くの選手は追うが基本はポジションに戻る。3バックで、WBが高い位置を取るベガルタにおいて、自陣に広大なスペースを抱えるため、奪われたら即時奪回したい。ただ、中断明けはリトリートを採用して、敵陣にカウンタースペースを作っている。

 

(3)守備

 5-4-1でセットディフェンスされていたが、2センターの脇にパスがガンガン通る。もっと言えば、石原と富田の脇だ。石原もボールホルダーにプレスをかけるが、二度追いまではせず。もともとFW系が4のサイドを務めるのは、やっぱり難しいのではと。でも、俺の息子たちもバイタルに侵入しても中央を崩し切るわけでもなく、事なきは得たわけでした。

 

(4)ポジティブトランジション

 ベガルタのポジティブトランジションは、明確になっていないように思える。特に、自陣でボールを奪った際、どこにボールを運ぶのか、自分はどこのスペースに走りこむか整理されていないように見えた。石原、西村が守備時にハーフスペースに立ち、ポジトラ時に一気に駆け上がるか、富田、奥埜が自陣でボールを保持して回りが駆け上がるか(ポイントガード役)、いずれにしても、西村が単騎でドリブル突破を図って奪われるシーンが続いた。

 

■後半

(1)攻撃

 前半30分過ぎくらいから4-4-2に変更してきた名波の息子たち。4-4-2崩しは、待ってましたとばかりに、左ハーフスペースから失点するまで殴り続けるベガルタ。でも、そこから反対レーンへの対角パスは、あまり出ていなかった気がする。気がするだけで出ていたかもしれないけど、もっと、ボールサイドに相手を引き付けておきたかった。それを差し引いても、レーン攻撃は、誰がどんな状態でも出せるのだなと。

 55分、左ハーフスペースでスクエアを作って、マイクがDFをピン留め。石原が左ハーフスペースの西村にレイオフ。マイクとのワンツーで、ローポストへの侵入に成功、シュートに至っている。

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*スローインの流れから、富田の前残りでスクエア形成+中央に西村。瞬間的に人が多い状況だが、4-4-2の泣き所を突いた良い攻撃だったと思う。ただ、磐田DFも中央によるわけでもなく、何となくひとにつく守備。ベガルタとしては、このシーンで点数を取っておきたかった。

 57分、チャンネルアタックの貴公子(勝手に呼んでる)アベタク登場。マイクと違い、DFへの前プレで慌てさせて、GKと1対1、その後のコーナーキックからゴールを奪っている。 この辺の選手起用は、相手チームとの力関係、DFの足元能力、試合展開なんかで決めていくと思う。

 得点シーンから、失点するまでは、レーンを意識して殴り続けられたと思う。そこで決められたら(タラレバ)…

 

(2)守備

 ネガトラのリトリートから、自陣でのプレッシングは変わらず。ただし、戻り切れない選手が増えてくる。とくに富田、奥埜の2センターは、前半からの激務がたたって、ガス欠状態。西村、石原のどちらかは、MF系の選手が必要になるのではと思うが、いかんせん、人がいない。

 57分、カウンターから、川又にローポストに侵入され、シンプルなマイナスクロスから失点。その前に、西村が決定機を外してたこともあり、集中できていたのか。渡邉監督も「頭を抱えているところで隙を作った」とコメントしている。

 アディショナルタイムの失点は、やっぱり名波の息子たちなんだなと、何かを起こすのだなと思わせる失点だった。あとは、あれだけ決定機を外しているのだから、神様にそっぽを向かれてしまうわけだ。

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 *参考までに磐田の守備。ベガルタはスクエアを形成して、石原がボールをもらいに相手CHの背中を取る。ただこの後、手前の右SHの松本の猛プレスバックを受けてボールロストしている。つまり、松本は、対面する中野を見つつ、ボールが石原に入ったら、DFとサンドイッチする。DFは石原に食いつかず、ポジションを守りつつ、ボールを奪う。これは、中野が駆け上がるのを警戒していたこともあると思われる。もしかしたら、ここからマイクに楔パスを入れて、石原はレイオフパスを受け取る方が良かったのか。あくまで選択肢の一つだ(スクエアの頂点にパスを出すことは間違いではない)。逆にベガルタも、石原、西村がプレスバックですり潰せればよかった。

 

■考察

(1)マイク!マイク!マイク!

  マイクの質的優位性は、非常に有効だと思う。しかも、それをデコイに使う渡邉晋の恐ろしさよ。相手によっては、空中戦でラインを下げさせて、ライン間攻撃もありだ。攻撃の幅が広がる可能性がある。

(2)状況適合型守備

  夏の暑さ、試合日程、けが人、色んな要素から奪われた直後、即時奪回ではなく5-4-1リトリートを採用しているのだと思う。ただ、試合展開、時間帯によっては、即時奪回も使い分けでもっておきたい。でも今はそんな余裕はないのかな。

(3)明日に向けて

 自陣でのボール回収であるならば、やはりポジトラ時の動きは整理したい。ポゼッションを確保するのか、ロングカウンターなのか。これも相手次第ではあるけれど、少なくとも、選手間の目を揃えることができて、不要なロストを減らせると思う。

 あとは、マイクとの連携強化。1ゴール1アシストの川又、数字以上に磐田のボールの休ませ場所、引き出し場所として機能していた。当然、マイクと違って、サイドのスペースに出たり、引いてボールをもらうので一概には言えないが、非常に効果的だった。マイクをどこで優位性を発揮させるのかは、これからの期待値の部分である。

 

■おわりに

 ホントにちょっとずつのボタンの掛け違い、選択肢の取違いで今の結果になっているのだと思う。大外しはしていない。ツキがない世界線に来てしまっている。1秒ごとに世界戦を超えている。ただ怖いのは、あれおかしいぞとか、大丈夫なのか?と疑心暗鬼になってきたらドツボだ。疑うこともあるけれど、自分たちのやってきたことを信じて、次は勝ちにもっていきたい。

 「恐れは怒りを、怒りは憎しみを、憎しみは破滅を招く」こう言ったのは、マスター・ヨーダだ。 

 

■参考文献

  「モダンサッカーの教科書 イタリア新世代コーチが教える未来のサッカー」  footballista, Renato Baldi, 片野道郎著(2018)

www.footballista.jp

 「怒鳴るだけのざんねんなコーチにならないためのオランダ式サッカー分析」

footballista, 白井裕之(2017)

www.footballista.jp

 「footballhack 美しいサッカーのセオリー ビルバオ×ビエルサのコレクティブフットボール2」 footballhack(2012) 

http://silkyskills4beautifulfootball.blogspot.com/2012/08/blog-post_22.html

 「サッカー戦術分析 鳥の眼 カバーシャドウ?レイオフ?あまり知られていない戦術用語紹介」 とんとん(2018)

birdseyefc.com